◆◆◆ 635 ★ さようなら交通博物館 ◆◆◆

2006.1.9

途中、秋葉原の、交通博物館に寄る。

なんでも、もうすぐなくなってしまうという噂があったからである。

あんなに沢山の展示物は、一体どこに行くのかと思っていたら、さいたま市の博物館に移設されるらしい。

ふーんと思いながら、会場へ。

おおっ。激混み。

混みすぎで、もう、中はごった返している。

展示物の多くには、行列が出来ていたり、模型のショーなどは、あんなに広い場所なのに、人だかりで、何も見えないという事実。

これでは、逆に、移転して、もっと広い場所で公開する方が、ファンにとっても、ありがたいということのよう。

小さい頃は、何度も連れてきてもらった交通博物館は、2歳くらいの子供がヨチヨチとしながら、パパとママに連れられて、主に、親が楽しんでいるという事実。

ベビーカーのパーキングエリアというのも満杯で、アタシは、その絵に爆笑してしまう。

それにしたって、実物のSLが展示されているという臨場感には感激した。

小さい頃に来たままの展示物は、黒いペンキをピカリとさせて、また、来た人に、「どうぞ触ってください」とメッセージを送る。

来客は、ペタペタと、あちこちを触り歩き、子供は絶叫し、電車を運転したりもする。(運転を体験できる、シュミレーションコーナーがある)

多くの鉄道マニアを輩出した、この、交通博物館。万世橋上からなくなってしまうという衝撃に、ウルウルと目を赤くして、ノスタルジアに浸る筋の方も何人も見かけた。

入り口からして、この臨場感。しかも、この新幹線は、運転席に乗ることもできる。

外なのに。

博物館の係りの人は、ファンサービスにと、「昔懐かしい硬券入場切符」なるものの配布に疲労困憊を隠せなかった。

アタシたちは、タッチの差で、その券をもらえなかった。

それ程、動員できているということになる。

それから、二階の船舶のコーナー、三階の自動車や飛行機のコーナーも見て歩く。

船の筋、自動車・バイクの筋というのは、鉄道とは全く違う客層で、それぞれの筋のニオイというのを放っていた。

昭和のニオイがプンプンとする展示品や、手狭な、色あせた会場が無くなってしまうのかと思うと、ホントウに残念だ。(注、交通博物館は、さいたま市で、鉄道博物館になるらしいので、他の品は残るのかもしれません。詳しいことは、直接聞いてくれる?)

一万円の、コスプレ衣装の前で、記念撮影の、観光客のミナサマ。

折角だから、試着したところを撮影して欲しかったよなあ。

今度、モデルヨロシクネ。うっふん。

そういえば、アトリエの前の持ち主は、鉄道関係者だったので、家を整理しているときに、鉄道の帽子とか、バッヂとか、硬券切符とかが、イッパイでてきたんだよね。

全部捨てちゃったけど、もったいなかったよなあ。

かろうじて、4つ切りの鉄道写真20枚近くは、捨てずにおいた。

私ができることは、たったこれだけだった。

ああ、ガーデンに、鉄道レールが70センチ程あるかもしれないよなあ。

さびてて、邪魔なんだけどなあ。

そうして、鉄道の実物を展示するという展覧会は、解りやすくて、質感があって、素晴らしいなあと思わされた。

こんなに質感のある展示物というのを、私は見たことが無い。

展覧会というのは、作品と一体となって、撮影できたり、思い出に残ったり、記憶に刻み込まれるモノでなければならない。

鉄道の運転手さんになったつもりで、一生懸命にパパに並ばせて、電車を運転した思い出や、電車の模型が物凄い速さで、富士山の前を走りぬけるショーを見たりして、ファンの心は、より、熱くなる。

アートの世界には、そういう臨場感的なモノが不足しているのかもしれないと思えてきた。

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