◆◆◆ 592 ★ ティンカーベル展、スコットランド王立 ◆◆◆

2005.12.25

コロニ展での展示風景

オジャラの作品の前にあるのは、OSIOSAさんの作品。

美術館市民ギャラリーの展示も今日が最後。

そんでもって、目黒に行く途中で、いくつかの展覧会を見ることにする。

一つは、ディズニーのティンカーベルとそのお友達展。

なんといっても、妖精というのを見たい。

ティンカーベルの展覧会というのは、ピーターパンが出てこないのだ。

そうだ、一体、どんな展覧会なのか?

会場には、ティンクばかりが大量に並んでいる。

今回は、新しい本の出版記念の展覧会。45カ国語同時発売という、前代未聞のスケールなのだそう。

出版する前から、売れることが解っています。キッパリという作品だということである。

ディズニーのオババが、ナントカいう作家に、筋を頼んだというビデオが流れていて、作家さんのお顔を拝見。

何でも、ファンタジー童話で右に出るモノはいないという位、有名な方らしい。

おおっ。怖いぜ。

まあ、そういう顔になるよなあ。

怖い顔になるくらいに、一生懸命作らないと、売れたりはしない。

発注者も、作家も女というのにも驚いたけど。妖精モノは、女流に限るよねえ。コジコジだって、ある種の妖精童話みたいなもんだと、アタシは思う。

これくらい売れる予定があれば、取り分が印税たった10%だったとしても、大金が転がり込んでくるに違いない。(有名作家さんだからね、ギャラももらえると思うよ。)

などと思いながら、今度は、ティンカーベルや、そのお友達のキャラがどうやって作られたのかという素描の下絵なんかを何点も拝見する。

キャラ作りは、ディズニー専属の、有名な方。

アタシが一番感激したのは、キャラクターを作る上で、最も参考にされるという作品。

それは、フィギア化された立体の模型であった。色はついていない。

グレーの、セメントのような原型である。

キャラクターデザイナーがイラストを数点起こして、それを元に、原型師と呼ばれる職業の人が、模型化するのである。(アタシの知識が正しければ、そういう工程だと思う。間違っていたらゴメン)

こんどは、その模型を元に、あらゆる面からキャラを見て、またイラストを作るのだそうだ。

美少女コレクターとしては、レプリカか、量産品でもいいので、全員欲しい。というクオリティ。(妖精は7人位いる)

そうして、二次元の世界というのは、実際にはあり得ない表現というのが可能であり、衣装のフォルムとか、空を飛んだりする表現の自由さに、心を動かされる。

世界最高峰の芸術品だということだ。

最後に、原画のコーナーというのがあった。水彩画で描かれた本画と、その下絵が何枚もある。

同じ絵なのに、構想を固めるまで、何枚も同じ絵の下絵が作られていて、作家さんの苦労を伺うことができた。

それにしたって、何て繊細な原画なんだろう。

今年だけでも展覧会に足を運び、2万枚以上絵画を見てきたという自負があるが、こんなに美しい原画を見たことはない。

瞬間表現の極まり方が、特に素晴らしい。日本画を見ている場合ではない。

構成力、登場人物の表情、手足の表現の豊かさ、色の美しさ、絵の上手さ。

稼げる絵というのは、こういうものなんだと思い知らされた。

大和和気の「あさきゆめみし」の原画も素晴らしかったけどさ、稼いでる額の違いは歴然である。

だいたい、同じ顔だし、十二単を着ると、動きが制限されるもんねぇ。

まあ、テーマ的にも不利だけど、世界レベルには遠いということである。

そうして、赤ちゃんの頃から、ディズニーグッズにまみれて成長してきた餓鬼共が大人になって、絵のことがよく解らないというのは、大いに理解できた。

一般に芸術と呼ばれているエリアのレベルが、ディズニーに負けているという、単純な理由だと思う。

まあ、あの商業主義には、ウンザリしないワケでもないけどね。

それだって、欲しく無い品を、誰も買ったりはしないのである。

その後、スコットランド王立展を見る。

ヘドが出そうな展覧会だったよ。

結構な人が入っていて、それは、ディズニーとは全く違う客筋で、主にインテリ層っぽい。

まあいいか。

あの程度の展覧会で、あんなに集客できるのであれば、企画としては成功ってことなんだと思う。

そうして、見る側は、あれが芸術だと思い込み、判断力が低下する。そうして、買うときには、ついてない作品をつかまされるってことになる。笑。

ディズニーセル画の複製500万円を買えって言ってるんじゃないのよ。

買うのであれば、フィギアの原型、世界に数点を狙いましょう。

とまあ、そういうこと。