◆◆◆ 562 ★ 個展二日目 ◆◆◆

2005.11.24

昨日は二人も来てくださったというのに、今日は誰も来ない一日であった。

平日というのは、いつもそういうものである。

それは、私の個展だからということでもなく、銀座のどの画廊を回っても、客はアタシ一人。

作家も不在。

店員さんも出てこない。

まあ、そういう展覧会ばかりであり、銀座だから人が来るということでもない。

どの展覧会も、それが現実なのだ。

展覧会を開いたことのある人の、ほとんどの感想だと思う。

ここには、何故誰も来ないのか。という問題と、それでも、展覧会をする必要があるのか?という、二つの問題が存在している。

そうして、ファイリングしながら、私は、そのことについて考えを進めているということになる。

不毛のファイリング作業は適当に終わらせ、時間があるので、懸案のカレンダーに着手しようと、リト版をヤスリがけ。

その後、乾燥。

サンダーが動かなくなってしまい、手でヤスリをかける。

400番が見つからないため、1000番を利用。

仕上がりは未知。

であるからして、保険のリノちゃんも作ることにする。

愛用のCDマジックで下絵を描く。

自転車に乗っている女の子の絵は、リノでは複雑すぎて、アタシの技術では表現できないため、最近凝っているヌードの絵を使う。

オジャラよ、銅版画でも、油彩でも(しかも3枚)作っている絵じゃないかよ。

ちょっとお気に入り。笑。

赤い部分を白く抜く予定。

そうして、裸婦の絵というのは、動きがないよなあと再認識。

動きを表現するというのは、被写体が動いているほうがカンタンだということのよう。(というか、動いている絵を描くというのは、別な意味で難しいので、なんともいえない)

まあいい。

難しい絵にチャレンジして失敗するよりも、描き慣れた絵をより単調化させ、完成度を上げてゆくという作業も大切である。

あとは、フツーに、彫刻刀で彫ってゆく。

人体を残す方が、面白かったかなあ。

といっても、もう遅い。

しかも、背景ほ彫る案だと、彫る部分が増えるからね、こっちで正解だったと思う。

肌の色は、裏彩色するかも。

出来具合によるけど。

そうして、余白に、猫を描くことにする。

理由は、猫ファンの人は、猫以外の作品だと、大きくガッカリするからである。

しかし、時間的に、猫の作品を作るかどうかも未定である。この案一柄だけということもある。

そうすると、猫の人から苦情が寄せられてしまうので、今ある中で、最大のサービスをするという案が採用されたのだ。(最初は、縞のドアだったんだけどね。)

縞のドアも、縞の猫も、たいした違いはない。

白と黒だけだと、作品が単調なのでね。少し、アクセントをつけようかなと。

顔は、失敗モード。

しかし、やり直すことはできないので、このまま進めることにする。顔だけ黒くすれば良かったよ。

線の描画であればシッカリと彫れるからね。

というように、反省点というのは、いつでも、作品が完成した後に浮かび上がってくる。

チョロチョロと作っているように思うかもしれないけどね、アータ、今回は、手を4箇所もケガしているんだからね。

しかも、一箇所は、物凄く深い傷になり、帰り道、傷口が開いちゃって、血がダラダラしてて、ポストに入っていたエロエロチラシで止血しながら帰宅。

はぁ。

そして、バンドエイドで止血し、フロに入ったり、ビールを飲んだりするたびに、また血が流れてしまう大怪我。(笑)→それほどでもないんだけどさ。

まあ、気合を入れて、物凄い力で彫るからね、ぼんやりしていると、危ないのよ。

よし、肌の部分は、もう少し削ることにするぜ。

理由は、プレスで圧をかけると、もう少し色が付くというのがひとつ、もう一つは、絵の具がもっとマットに広がるので、コントラストを強めるため。

どーせまた、ムナカタシコウにソックリだと言われるんだろう。たはは。

アタシも、池田満寿夫の絵が、ピカソの絵にソックリだと言われたときに、「僕は、ピカソに影響を受けていますから(絵が似てしまうのは当然だ)キッパリ」

と、毅然と答えることにするわ。おほほほほ。

そうして、銅版画作品と比較し、やはり、凸版の出来は、完成度が高いというのを再認識する。

作ってて、つまらないんだよね。ボソリ。

早く刷れるというのを除けば、刷ってもつまらないしさ。ボソリ。

そうして、このカレンダーの出来次第で、1万円以上買うかどうか考えていたアナタ、ゼッタイ買ったほうがイイですって。

この作品だけだって、将来1万円以上になるかもしれないじゃないですか。

という世界。(先のことは保障できません。どっちにしても、アタシには金は入ってきませんので。笑。)

試刷りモード。

リノ版なので、水彩絵の具にスティック糊を混ぜて、絵の具の粘土を少し高くして、ハケで塗り、半紙に印刷。

うーむ。

もう少し、肌を白くしたほうがいいんだろうか?

それとも、このマチエールを残すべきなんだろうか?

CD用の赤いマジック部分にインクが乗らないので、一旦アルコールで落とそうと思う。

が、アルコールが見当たらない。

どーしよーっ。

といっている間に、夜になってしまう。

仕方ない。今日はもう終わりにするぜ。

明日は、英語教材の最終テコ入れ、リトカレンダーの描画、リノ版の刷りをやる予定。早朝から出かけないと。

個展の最中とは思えないハードスケジュール。

刷りムラがあるが、プレス機を使うので、バレンよりも、シッカリとインクはつくと思う。

前の時って、油性の絵の具だったんだっけ?

あ゛ーっ。何も覚えていないぜ。