◆◆◆ 560 ★ 皇居周辺を襲撃 ◆◆◆

2005.11.24

今日は、午後からアトリエを開こうと思い、午前中に出発。

竹橋の近代美術館へ。

ドイツの写真の現在とかいう展覧会で、つまらなかった。

この前の、東京現代写真美術館の方がまだマシである。

もし、見るべき場所が、芸術なのであればという話である。

大きく引き伸ばせば良いというものでもない。

中には、良い作品もある。

でも、売れたりはしない。

写真の展覧会というのは、そういう世界で、絵の世界よりもずっと厳しいのだ。

アタシが、写真の展覧会を見に行くのは、そのことを確認するためである。

そうして、この程度の作品が美術館に展示されているとなると、写真の人も育たないと思わされる。

その後、常設展示へ。

岸田劉生のミニコーナーがあり、ゆっくり見ることが出来た。要らないけどね。

あの絵は、要らない。

アタシ的にはそうであるが、見るのはやぶさかではない。

常設展は、相変わらずである。

まあ、たいしたことないといえば、たいしたことないし、よく頑張って集めたといえば、頑張った。

美術館の作品収集というのは、一体どのようになされているのかをアタシは知らない。

額縁屋のオヤジ説だと、展覧会の入選作品などを安く買い上げるのだという。

本人から直接ということも余りないだろうし。

どーよ?

世の中の仕組みというのは、物凄く巧妙にできている。

美術館に収蔵されているというだけで、他の作品にまで価値があると勘違いする人も多くいる。

ひとつだけ言えることは、美術館収蔵作品は、画家のネームバリューを恒常的に上げ続けてくれる。

アタシは、何度も見ているけど、近代美術館の常設は必ず見ることにしている。頻繁に模様替えをしているし、学芸員は、頑張っていると感じられるし、駅から近いからである。

その後、前から行きたかった、工芸館の日本のアールヌーボー展へ。

500円。

どーかなあ。

まあ、値段的には、頑張った展示品だったと思う。

そうして、まだ、印刷技術が発達していなかった時代の、木版画印刷の同人誌の表紙などを拝見し、良い時代だったと思うのだ。

今の同人誌も、100年後には、美術館に展示されるのだろうか?

情報が増えすぎると、学芸員は、取捨選択さえ出来なくなる。

美術館の倉庫はイッパイで、収蔵品を増やせない。

そういう、イロイロな問題が山積しているが、一番の問題は、客が来ないことだろう。

何故来ないのか?

ゴッホは2時間待ちなのに。

みたいなね。

展示場所が広すぎるんだよねきっと。

その後、皇居沿いの紅葉をながめつつ、本日メインの山種美術館まで歩く。

良い天気で、良いコースであった。

山種美術館では、上村松園展。と思っていたら、上村松園と、日本画の美女たち展であった。

それでも、彼女の息を止めて見なければならない拡張高い線は、どの作品も素晴らしかった。

どの作品も、こんなに高いレベルを維持しているというのが、驚きである。

多くの作家は、そんなに高いレベルを保ち続けることは出来ない。

高いレベルの作品だけが世に出されたのか、低い作品が無かったかのどちらかである。

レベルの低い作品など、もう、作れないという技術力の高さが裏側にあるということになる。

なるほどねえ。

一旦手に入れれば、恒常的にその域で作品を作り続けられるということに他ならず、そうなれば、儲かるという結果も待っている。

頑張ってアタシのコレクションに追加するぜ。笑(一生ムリっぽいけど)