◆◆◆ 524 ★ 佐伯祐三展、TISイラストレーション展 ◆◆◆

2005.10.14

テレビで紹介されていた、佐伯祐三の展覧会を見に行く。

実物を見るのって、初めてかもしれない。

滅多にお目にかかれる品ではないということである。

享年30歳かぁ。

若かったよなあ。

アタシは、オギスファンなので、オギスと一緒に絵を描いたという佐伯の話には興味がある。

佐伯の方が、極端に早死にしたので有名であるが、絵は限りなく似ている所がある。

もし違うとすれば、佐伯の絵の方が色がグレーがかっていて汚い。

オジャラよ、巨匠の絵を汚いというなよ。

たはは。

暗い色使いの絵は、嫌いなんだよね。

それだって、佐野繁次郎の絵には、もっと衝撃があったもの。

アタシが何度も開いている佐伯の図録の絵がほとんど並んでいて、良い展覧会だった。

練馬区美術館はじまって以来の人の入りという感じで、チケット売りのお姉さんも、パニックになりながら応対していた。

佐伯の人気というのはスゴイね。

見に行った人の感想も、「感激した」の嵐。

それほどの絵でも無かったと思うけどね。

不忍に流れたときに、「そういえば、佐伯を見に行きました」と話すと、アライさんは、「で、どーでした?」

オ「キリコの方が面白かったです。」

アライ「へぇー。キリコですか?」

オ「やっぱ、目に見えない世界を描ける方が、目に見える世界だけというのより、上って気がしますけどね」

アライ「うんうん。確かにそうですよね。情景描写であっても、ありのままを写すということではなく、(作家の目に見えない部分とミックスされて)自分の世界が表現できていないとね。」

オ「風景程度の絵には、もう、感激しなくなってしまったのかもしれません。この道というのは、怖いですね。」

アライ「そうですねぇ。」

などという会話。今日は、よく解らないが、お茶の他にケーキまで出てきて、アタシとしては気絶しそうになる。(タマタマだと話されていましたが)それほどの客でもない。

オジャラよ、佐伯の話は、アンタが風景を描けるようになってからにしろよ。

たはは。

全くね。

何でアタシは、こんなに風景が下手なんだろう。やっぱ、パリじゃないからだろう。うん。

そうして、実物なんかよりも、印刷物になった方が良いというムードもあり、写真家がスゴイんだろうかと思えても来る。

それは、三岸節子の絵のときも思ったんだけどね。印刷物になると、より良い絵というのは、有名な人の絵程多い。

そうして、客の入りなんかを見ると、何年か前に見たオギスの回顧展なんかよりもヨッポド入っていて、佐伯人気というのに驚かされる。

やっぱ、早死にしたというコトで有名だからね。

そういう、画家の激動の人生という知名度も、絵の人気に関わっているということなんだと思う。

そうして、そういう情報を、こんなに沢山の人が共有しているということに、また驚かされる。

アタシも、プロフィールのページを真剣に作ろうかと、チョロリと考える。

まあいいか。教えてあげないぜ。

その後、サンシャインの展望台で開かれているTISの展覧会に流れる。(池袋つながり)

昨年TISの公募に出した作品は、落ちはしたものの、入場券が送られてきた。

展望台620円の入場料は、その招待券を持っていると無料になるという話である。

去年は無料で見れたことを考えると、1人620円というのは、展望台価格込みであっても、チト考える価格だと思う。

センセイ方の絵は、良い絵も悪い絵も並んでいた。それは、去年もそう思った。

そうして、前回よりも売れ具合は落ちていた。

入場が有料になったからだと思う。もっと人が入れば、売れる絵も沢山ある。

展示もパッとしなかったしねぇ。

展覧会というのは奥深い。

そうして、展示された作品の本を開く。

やっぱ、印刷物になると、イイわぁという作品大量なのに驚く。

そうして、イラストレーションの原画は、ほとんど売れないと、日本イラストレーター協会の代表さんが話されていたことを思い出す。

現実というのは、そんなもんである。