◆◆◆ 463 ★ ヒロ・ヤマガタ展 ◆◆◆

2005.8.10

庭園美術館から白金まで歩き、南北線で永田町まで。

赤坂プリンスホテルの、ヒロ・ヤマガタ展に行くためである。

白金駅って、三田線と南北線のホームが一緒なんだよね。驚いたぜ。電車の乗り間違えにご注意願います。乗り間違えると、全く違う場所に行っちゃいますみたいな。

ホテルの展覧会というのは、一体どーいうものなんだろう?

まあ、ここがポイントである。

チケットを見せると、「Y新聞からもらったチケットですか?」と確認が入る。

どの媒体を通じて配布したのか、調査しているのである。

なるほどねえ。(アタシは、ダイレクトマーケティングを長年勉強しているので、この筋の裏の事情がよく理解できているのよ)

ヨーロッパで描きおろした、新作水彩画というのが今回の目玉だった。

やっぱ、上手いよねー。

でも、風景画って、つまんねーのよねぇ。

この前の、フィリップモリスのコレクション展以下だよなあ。

中には、何年か前のアクリル画のシルクスクリーンの原画もあって、こっちは素晴らしい。

色といい、構成力、画面の動き、面白さ。

さすが、絵の才で成り上がった男の絵であると思わされる。

そんでもって、展覧会が終わると、ビミョーに更なる展示が続く。

ゲートで名前を書けなどと言われる。

昔はここで、住所まで書かされて、書かないと中に入れないみたいな押し付けがましいアプローチがほとんどだが、この前の法改正で、名前だけでオーケーしてもらう。

おおっ。これは、ミニスカボリス系、高額アート販売店の、巧妙な仕掛けだったワケっすかぁ。

今まではデパートで開いていたんだけど、最近ホテルにシフトしたんだそう。

ホテルの展覧会って、違和感あるじゃない?

理由があるわけよね。

何故、デパートからホテルにシフトしたのか?

考えられる理由は二つ。

強引な悪徳販売へのクレームがデパートに来てしまい、お客様の信用が著しく悪くなり、他の絵画も売れなくなるので、締め出された。

もう一つの理由としては、デパートに支払う金額を節約したい。

このどちらかである。

デパートで販売すると、自動的に3割をデパートに支払わなければならないわけよ。

3割って、デカイでしょう。一枚100万円以上で売っているワケだからさー。

それであれば、高級ホテルを4日間借りるほうが安いってことでね。

集客はどーなんだろうねぇ?

新聞広告と、無料チケットのばら撒き、ヒロ・ヤマガタのネームバリューで結構集められるってことなんだろう。

デパートの筋だと、全く買わない人まで混じっちゃうけど、こっちだと、「ヒロ・ヤマガタファン」にビタッと焦点を合わせられるもんねえ。

ダイレクトマーケティングって深いわぁ。

そんでもって、販売しているポスターは4250円。額つき。

まあ、お安いムード。

これくらいなら、買える。(収集アイテムからはずれるので、買いません)

そんでもって、次はシルクスクリーン版画のコーナーに案内される。

当然にミニスカねーちゃんよ。

イロイロと、説明されたり、本人の製作風景をビデオで流したり、100版の版画を作る苦労話なんかをね。

そんでもって、価格は100万超えは普通で、最高の版画は500万円以上で販売されていた。

販売するのはまあいい。

売れていたということの方が驚きである。(販売の心理作戦用の仕込みかもしれないんで、何ともいえないけどね。)

毎日コミニュケーションのアートオークションだったら、同じ品が50万円以下で買えますよーっ。

と教えてあけたい気持ちで一杯になる。

でもまあ、500万円の版画だから欲しいという世界があるのかもしれない。

店内には、ピカソ・シャガール・デューラー・ブリューゲルなどの版画が、サザビーでいくらで落札されたのかなどが展示してあり、400万円とか、1200万円とか書いてある。

ヒロ・ヤマガタがいくらで落札されているのかは書いてなかった。それが1200万円ならね、アタシもなるほどねえと思うんだけどさ。

噂では、100万超えの版画を、当日にその店に持っていって売ろうとすると、9万円とかで引き取ってくれるらしいけどね。

巧妙な設計の展示会に、気絶しそう。

アタシは、彼の版画に価値が無いとは思わないが、500万円あるのであれば、宮元三郎とか、熊谷守一の油彩を一点買ったほうがイイと思う。

販売するのも、買うのも、双方の合意によってなされるわけであり、これは、詐欺行為ではない。

が、買う側の勉強不足により、価値よりも不当に高いモノをつかまされたとしたら、それは、買う側の努力不足であり、法的にはなんら対抗できないというのは、お話しておこうと思う。

損するのは、勉強不足だった、アナタだということだ。

アート雑学、更新しています。

版画をお求めになるのであれば、まず、チャリティー系、もしくは、筋のイイ画廊さんも紹介していますんで、そっちにも足を運んでみて、同じ版画なのに、どーしてこんなに値段が違うのかも含めて、よーく考えて見ましょう。

アタシなら、500万円のと同じ大きさの、作田富幸センセイの、高知国際版画トリエンナーレ、大賞作品。確か、今のところ15万円くらいだったと思いますけど、こっちをオススメします。とりあえずね。

33枚買えますからね。お買い得だと思いますけどね。