◆◆◆ 400 ★ 佐倉市美術館 ◆◆◆

2005.6.18

そのあと、バスで、駅に向かう途中で、佐倉市美術館前で降ろしてもらう。

通り道ということもあり、気軽に降ろしてくれた。

川村美術館よ、大きいぜ。

そんでもって、今回の企画展、堀柳女(ほりりゅうめ)の人形展へ。

600円も取りやがって、高すぎるぜ。

それにしたって、パンフレットの作品が素晴らしく、デパートで展覧会したって、これくらいは取られると判断して、行くことに。

人形は顔が命。

アタシだって、女ばかりを描いているのだから、その、美しさの秘密というのを知りたいじゃないか。

彼女は、人形を、民具から芸術に昇華させた、最初の人なのだそうである。

10-20センチ程度の、小さい人形には、どれも動きがあり、瞬間表現が極まっていた。

瞬間を切り取り、作品に写し出す。

これが、芸術活動である。

その瞬間には、イロイロなシーンがあるわけで、「人間らしく、心を打つ表現を捉えられるか」、ここがポイントにある。

例えば、小説の挿絵であれば、感情表現のピークを、どう表現するのか、

そういう世界であり、そこには、それぞれ個性がアルワケなんだけど、より、豊かに瞬間的な感情表現で作れた人が、勝つわけよ。

彼女の作品には、それがある。

工程としては、大きい作品は、石膏でまず、サンプルを作り、次に、それを見ながら木の型を作る。(小さい作品は、たぶん、桐の木の粉を糊で固めた粘土状の品で作っていたと思われる。)

それに、胡粉(貝殻の白い部分を粉にして、のりを入れたモノ)を塗り重ね、手足を白く輝かせる。

その上に服を着せてゆく。

とまあ、こういう工程のようだ。

どのお人形も、大切にされていて、破損もヨゴレもなく、美しく毅然としていた。

きっと、お高い品だったから、大切にされたんだ。

ハンスアルプとは別な意味で、こちらも堪能した。結果的には600円は安かった。

アタシは、何度も何度も人形を見て、表情やら、古布の美しさにウットリとする。

人形は顔が命。

そうして、あんなに繊細な手の表現で、人間の感情を表現できるというのにも驚いた。

手の動きの練習をしないとなあ。

美術品か、民具か。

まあね、お高い所にある作品ということには間違いがない。

それでも、イイものはイイ。

が、一体買うお金で、カネゴン50個買えます。

という世界ではある。

カネゴンだって18万円もする時代だぜ。

カネゴン50個買う方がイイと思う人の気持ちが解らないでもない。

シーボルトの図録はもう無いのかと、尋ねた時に、ミュージアムショップの女将と、立ち話になる。

「昔は、作家モノの陶芸品なんかも置いてたんだけどね、一個5万円じゃ、誰も買わないからねぇ。もう辞めちゃったのよ」

などと愚痴られる。

ミュージアムショップというのは、どこだって割高なのに、結構売れていたりする。

そんなお客様ばかりの所で全く売れないというのは、価格設定が悪いのだ。

「作家モノ」「一点モノ」ねえ。

100円ショップにゴロゴロしているぜ。

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