◆◆◆ 381 ★ 小山田二郎展、銅版画教室 ◆◆◆

2005.5.31

今日は、銅版画のお教室なので、その前に、先日行きそびれた、東京ステーションギャラリーの小山田二郎展へ。

うっひょー。

今日のお客さんは、筋の方ばかり。

今までの東ステ展覧会は、フツーの人多数という感じだが、どの展覧会よりもマニアックであった。

作品は、水彩画、油彩という感じで、佐野さんほどの衝撃は受けなかった。

どちらかといえば、おどろおどろしい作品群で、作田センセイのテイストかなと。

水彩画でも、この位描かないと、筋の人は足を運んでは来ないのだというのは理解できた。

あの水彩画はいくらなんだろう。気になるぜ。

その後、神保町の銅版画のお教室に。

今日は、特別講習会。

センセが用意してくださった地金を、自分で研磨し、独自の切り出しナイフのような道具を作るという作業。

こちらは、銅版画にチャレンジに掲載する予定っす。

しゃぼんだまで紹介というよりは、物凄くマニアックな世界ってことで。

生徒さんは、一本ずつ、地金をもらい、それぞれが角度をつけたり、焼きを入れたりして、自分の道具を作って行く。

すげー。

金物作りって、結構大変な世界だと思っていたのだが、自分で作れるんだねえ。

こんなにカンタンに作れてしまうというのに驚いてしまう。

買うと2-3000円はする代物なのだ。

スプレー缶入りのバーナーというシナモノも目にする。おおっ。炭を起こすのに使えそう。

北斎模写の女は、そのフォルムをどんどんと変えてゆく。

なかなか、思うように描けないでいる。

動きのある作品というのは、いつになっても手に入れられない。

女が、どの向きを向いているのかというのも大切だ。

真っ直ぐにこちらを見ている女。

この構図は、どちらかといえば、「丁か半か」に通づるものがあって、たぶん、そういう絵に仕立て直して、ポスターにすると思う。

画家として生きるという、一発勝負に出たわけよ。

そういうところをね、見て欲しいわけ。

絵は、時々、よく描けたりもする。

それでも、まだ安定していないので、次に描くと失敗するんだよね。

フツーの人は、ここで、トレースするみたいなんだよね。

トレースっていうのがね、アタシの絵画制作技法の中に入ってないのよネエ。爆。

迷いの無い、美しい線で、一気に描画する、その線の美しさを体感して欲しい。

転写すると、見た目は美しくて、安定して見えるんだけど、線の力は落ちてしまう。

ピカソもマティスも転写なんかしなかったと思う。

転写しないで、ある程度の作品が描ける描画の力こそ、画家に求められている、基本的な力なのである。

この、基本的な力の上に、色、モチーフを構成する能力、独自の表現方法などが加えられて、やっと、一つの作品が出来上がるということなのだ。

そうして、前作で作れていた、伸び上がるような女は消えて、ドッシリと地に足をつけた女に戻ってしまう。

キモノのシワなどの表現も稚拙で、もう一度北斎漫画を広げて、細部の表現の差異を確認する。

二色で彩色された、昔の木版画は、現在復刻されている北斎漫画の冊子よりもずっと力がある。

日本の版画の力というのは、物凄く高いレベルで生きていて、その事に驚かされる。

日本人というのは、何百年も前から、こんなに高い作品群と生きていたのである。

中途半端な作品では、生きてゆけるはずがない。

そんなことを思いながら、何枚も女の絵が増えているのであった。

この前準備した100枚の紙には、全部絵を描いてしまう。

はぁ。

もう少しイイ紙にも描いておかないとなあ。

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