◆◆◆ 356 ★ 北斎マンガの模写 ◆◆◆
2005.5.7 |
展覧会をいくつも見ていると、日本画というのは、ホントウに洋画と比較して、動きがあるなと思うのだ。
それは、静物でも、風景でもそう感じる。 何故、そう感じるのかといえば、それだけ、鍛錬を重ねた技術の上で描かれているからである。 絵というのは、結果が全てなのだ。 洋画というのは、表現方法は多様であり、細部描写には時間がかかる場合が多い。 まあ、人にもよるけれども、乾かして、また細部を書き込むという乾燥作業に時間がかかるのである。 そうすると、モデルさんなんかには、どうしても止まっていてもらわなくてはならないということになる。 絵がつまらなくなるわけよ。 画材の乾燥時間からくる差もあるが、洋画でも、瞬間表現を取り入れようとしている人はいるし(そういう絵は入賞している場合が多いのよ。)静止した画像であっても、動きが感じられる作品が無いわけではない。 それでも、「有名」と言われている日本画センセイの作品には及ばない。 圧倒的な差があるのである。 アタシが、日本画の展覧会も見に行くのは、そういう理由からである。 |
あ゛ーっ、紙がもったいないぜ。 |
よくよく考えれば、マンガの人というのは絵が上手い。 絵が上手くて、人物も、動きも描ける人は、マンガ界に流出し、ガッポリ稼ごうと思っているということである。 こうなると、絵がもっと下手な人がアート界に残って、「ゲンダイアートだ」などと、言い張っているのかもしれないと思えてくる。 マンガの仕事は過酷だから、やりたくないもんなあ。 ドガや、ジェームスアンソールも、北斎マンガの模写をしていて、画面にぐっと、瞬間表現を取り入れられるようになったという経緯がある。 浮世絵系から、デザインに流れるタイプ(ゴッホみたいな感じ)と、人物の瞬間描写から、人間の内面に別れてゆくという感じ。なるほどねえ。 ドガとか、マネの絵というのは、実は、絵の中に謎が隠されていて、そういう話を見聞きすると、へぇーと思うことがあるわけ。 (アタシの場合、考えが足りない絵だと言われたことがあって、たしかに、何も考えていないから、仕方ないんだけどさ、謎のある絵というのは、俳句みたいだなとか思って、カッコイイとかね、ちょっとパクろうかとか思うわけ) そんな立派な人が、模写によって、二人も瞬間表現を手に入れられた実績があるのだから、アタシもやってみたい。 タマちゃんは、何故か、北斎マンガの全集というのを持っていて、アタシに貸してくれる。 最初はコピーさせてもらおうと思ったのだが、全く細かい線が見えなくなってしまうということが解り、自分で描いて、イメージを留めておくことにしようと思う。 自分で描いた下絵があれば、それはどんなに下手でも、似たような作品を、何枚でも描くことができるのである。 それにしても、キモノの表現というのは、難しいもんだよねえ。シワとかが全く描けないのよ。 ヌードのクロッキーだけでは、絵に限界があるということなのか? それでも、まず、ヌードが描けないと、服のシワも描けないのよね。たははは。順番なんだろーね。 |
|
アトリエでは、個展までの間、油彩に専念することにして、ドローイングは、自宅にスペースを作る。 乾燥スペースがないので、毎日20枚くらいが限界だろうと思う。 それでも、描かないよりは、描いた方がイイに決まっている。 まだ、線が安定していないのでガラスペンで、どんどんと描いてゆく。 ボールペンの方が、すぐに乾くし、上手く描けるんだけどね、ガラスペンでもっと上手く描けるようになりたいのよ。 インクはお高いので、100円墨汁にシフト。 紙も、一枚10円程度のを1枚一円のわら半紙にシフトすることにする。バリ時代みたい。 同じ絵はどうせ描けないので、自分なりに多少アレンジ。 よーく考えたら、北斎マンガじゃなくても、「ドラエモン」でも、「ドクタースランプあられちゃん」でも、「ドカベン」でもヨカッタんじゃないかと思えてくる。 ウチの書棚にはスラムダンクとアキラしかなくて、どちらも、一生描ける気がしない。 両センセイ、絵が上手すぎるぜ。 そうして、世の中の人は、目が肥えているのはマンガのせいなのかもしれないなどと、ぼんやりと、そんな考えがアタマに浮かんでくる。 ゲージツ性ウンヌンは避けて通るけど、優れたコミックは皆読んでいるということである。 アタシの、この程度の絵が売れるはずがないぜ。 |
|
節子風は、益々厚塗りになる。 なるほどねえ。 確かに、青い絵の具も黒く見えはじめ、不気味な光を放ち始めている。 まだ二回目だからなぁ。 この、中央の黒いグルグルは、乾いたら、また黄色で塗られるわけよ。うっひょー。 この先、20年も塗り続けたら、厚さ1メートルとかになっちゃって、それは、それで新しいよなあ。 展覧会とかに出したら、「立体は却下」などといわれたりしてねー。 あ゛ーっ、でも、この絵が最後だよなあ。 絵の具代がっ。 しかも、ほぼパクリなので非売品だし。汗。 |
そういえば、この前、何かの公募に出したら、きっと入選するかもって言われたけど、ムリだと思う。今のところ12号が人生最大の大作なのよ。たははは。このままだと一生ムリ。 |
バーバラの絵も加筆。 足立区展が29日搬入なので、それまでには乾燥するだろう。 この絵は、ちと黄色かったので、肌と、白い部分を白く塗り重ねる。 それにしたって、この絵以降、10号以上が仕上がっていないというのに問題があるぜ。 これ描いたの、一月ごろだったもんなあ。 額に入れたら、足の太ももの部分が切れて、どんな絵か解らないかもなあ。 まあいいか。 そういえば、描きかけのP30というのがあったよなあ。 間に合えば、あっちで行きたいなあ。 あれは動きがないからダメかぁ。 油断していると、静止した絵になっている。 ヌードのデッサンから絵を起こしているからだよなあ。きっと。 動きというのは、なかなか手に入れられない。 |
Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara. Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara. |