◆◆◆ 307 ★ 石踊達哉さんのテレビ番組 ◆◆◆
2005.3.9 ピカソのポストカード ピカソの絵というのは、本当に多様で、触れれば触れるほど驚きが広がるのである。 それにしても、うまいよね。 |
毎週楽しみにしている、千葉テレビのアートの世界。
随分古い番組の再放送のようだが、その普遍性は何年経っても変わらない。 日本の巨匠を作品や制作風景を通じて紹介してくれる。 石踊さんの作品は、「うっひょー」である。 アタシは、作品を大量に見ているから、滅多なことでは、「ウッヒョー」と叫んだりしない。 そうなのだ、見た目でそれくらいスゴイ。 そうして、そういう画家さんの作品を見ることが出来たというだけで、幸せだと思えてくる。 彼が花鳥の日本画を描いている映像を見る。 やっぱり、筆で、色の一個一個、線の一本一本を加筆しているのである。 CGなどを駆使して、複写に複写を重ねた、単調なラインではなく、どこまでも鍛錬された、物凄く高い技術の美しい面や線である。 |
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そうして、やっぱり、画家というのは、これくらい描けないとダメなんだろうと思わされる。
瀬戸内寂聴 源氏の世界の表紙絵や挿画を担当されたときの展覧会の作品を中心に構成された番組だったが、このシリーズは素晴らしい。 彼は、「絵描きは、普通、好きなものばかり描いているので、挿画を作るには、それなりの勉強が必要だった」 と話されていた。 やっぱ、人から依頼を受けて絵を描くというのは、そういうことなんだろうと思う。 自分の好きなものを描いて展示して、「さあ、買え」というのとは違うのだ。 それでも、仕事の依頼を受けるというのには、それなりの作品の力というのを世に公開し、認知を高めておかなければならない。 瀬戸内さんも、「若手の作家さんをイロイロと物色し探し回った結果、彼の作品に出会い、これだと思った」と話されている。 そういうことなのである。 発表している作品が、たとえば瀬戸内さんに運よく見てもらえていたとしても、選ばれるとは限らない。 |
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そうして、そんな彼の作品は、昔は人物を中心にした、新しい日本画の世界を築き上げたのだそうだ。
ところが、人物に行き詰まり、パリに行く。 パリに行って、自由な作品に触れ 「模倣ではなく、極めて個性的な創造でなければならない」ということを学んだのだそうだ。 あんなに沢山の賞を取ったりしている人であっても、作品の個性に気がつくのには時間がかかったということのようである。 そういえば、この前のセンセイだった、平松さんも、同じようなことを話されていた。 パリに行き、「(パリの画家が)自由に描いている作品を見て、自分をどんどんと出すために、風景を描いてもいいかな」と思ったのだそうだ。 そうして、この番組でも、「自分の気持ちを貫き通し、絵の個性を出すことに全力で取り組んでいる」と締めくくっていた。 個性を出すことに全力を尽くすことそのものが、画業である。ということのようである。 |
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この、洋画家のヒラマツ先生は、小学校のセンセイが、東京からクレヨンを取り寄せてくれて、生徒に絵を描かせたのだそうだ。
そうして、絵をほめてくれて、廊下に貼ってくれたのがうれしくって、絵をどんどんと描いたのだと、ヒラマツさんは目をキラキラとさせながら話してくださった。 テレビというのは、本当に伝えたいことを伝えられるメディアなのだと思わされる。 そうして、若いアーティストは、こういう、画家として成功した人たちの番組をもっと見るべきだと思う。 そりゃあ、中には、たいしたこと無くて、自分にも出来そうだという程度の作品で、金を儲けている作家がいない訳ではない。 だから、自分も、その程度で一山当てようなどと、ムダな創作活動を繰り替えしている人も多いんじゃないかと思う。 そうして、自分の運の悪さばかりを恨んでいる人を見かけたりもする。(展覧会の最中に、愚痴っている場合多し) その時間、絵の一枚でも描けば、美術番組の一本でも見て、話題の展覧会でも見に行っていれば、きっと、もっと、いい絵になるに違いないのに、それはしないみたいである。 作品が優れていれば、必ず世に出られる。 結果が全てだということだ。 もし、画家として本当に収益を得たいのであれば、収益を得ている作品と、自分の作品との差に気づくことだと思う。 もし、気づけないのであれば、その差を縮めることができない。 その差が縮まらなければ、その絵は売れることは有り得ないのだ。 |
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人の話などはどうでもいい。
東京に住んでいると、大きな展覧会が次々と向こうからやってくる。 そうして、どんな展覧会であっても、それが、小さな手作りの展覧会だったとしても、私の中に何かが入り込んできて、自分がどうすればよいのかを決断する指標になってくれるのだ。 そうして、私は、作品を見ている量が圧倒的に足りないのだと思わされる。 |
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