◆◆◆ 289 ★ 切り絵によるてぬぐいの下絵 ◆◆◆

2005.2.18

昼食を食べた後、トイレの水漏れが気になるので、ウオッシュレットの掃除でもしようと思い立つ。

そうして、マニュアルに従って、止水し、タンクを開いてみる。

げげっ。止水されてないじゃん。

水は、大量に流れ出て、トイレは水浸しに。

うわーっ。

一生懸命に、栓を戻そうとしたのだが、水圧で全く栓をすることができず、水は玄関にまで流れ出る。

仕方なく、水道の元栓を閉めに外に出て止水。はぁ。

水をふき取るのに一時間もかかってしまう。

この寒いのに、アンタ、何してるんだよっ。

そのあと、呆然としながら何分かを過ごし、アトリエへ。

芹沢センセイの作品を見て、下絵では、十分な指示を出せないというコトが解った。

もう少し、実際の出来上がりに近い感じで下絵となる品物を作る必要がある。

ということで、切り絵を作ってみることにする。

私がこだわっているのは、実物大に近い形で、版を作ることである。

初回作品なので、まだあまり上手く描けていないが、筆やマジックで作った下絵よりは、マシである。

左は、とりあえずの下絵。

てぬぐいのデザインには、あまり細い線は向かないので、そこをどう単調化するのかが最大の課題。

線を何本にするのかという話である。

切り絵であれば、輪郭線は太く、流線の文様は細い線で作れるのである。

輪郭部分と流線文様がくっつくと、切り絵がバラバラになってしまうので、その辺、一部を残しながら版をつくる。

これは、小紋柄で、てぬぐいの大きさ全体に壷の文様を広げてゆくことになる。

そうすると、効率も大切だ。

いくら一流の型紙師が型を作るといったって、文様と輪郭線がくっついた版を作るのと、ある程度残してある下絵を作るのでは、推定4倍位速度が変わってくるのである。

てぬぐいの型を作る場合、この壷は、いくつも作らなければならないので、効率がよい下絵からスタートするというのは、最終的に、作品のコストを下げられるということになる。

それにしても、サイン入りてぬぐいってスゴイよな。

なんだか、落語家になった気分になる。

てぬぐいに、作家のサインが必要とはあまり思えないが、入れてもいいと言って下さったので、とりあえず、入れさせていただくことにする。

アタシのサインは、一応、この形が、正しい上下なんだけど、てぬぐいとして使うので、どこから見ても構わないサインを採用。

芹沢さんの暖簾なんかには、サイン入っていなかったよなあ。

作品見れば解るもんなあ。

サインを入れなければ、誰の作品か解らないというのは、作家として格下ってことなんだと思う。というか、日用具にサインって入っているのかなあ。包丁なんかには銘が入っているし、豚毛のブラシなんかは、見えない所に銘を入れている職人さんもいたよなあ。あれはあれで、物凄い筋だと思う。

使う人には、誰の作品かというのは関係ない。修理したい時に、自分のところで作った作品かどうかを確認できるような構造なのだ。

あるほうが、ホンモノっポイけど、あるために、贋作を作られてしまうということも多い。

優れた作品なのに、有名作家のニセサインを入れたため、価値がゼロになる品もあるという。

どちらにしても、重文系のデザインには、個性は入りづらいというのは理解できてきた。

下絵を切り絵にするという作業はかなり面倒なのだが、こんなに結果に差がでるのであれば、やるべきだろうと思わされる。

テキスタイルというのは、デザインが全てで、優れた作品だけが売れるという暗黙の世界なのである。

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