◆◆◆ 246 ★ 西田さんの襲撃に合う ◆◆◆
2004.12.12 こちらは、西田さんの下絵。早っ。 |
六本木の展覧会で、西田さんとオトモダチになり、六本木からは北千住まで一本なので、『ぜひ来てね』などと、お誘いする。 そんでもって、ギャラリー定休日の今日、訪ねてくださったのだった。 彼は、リトグラフの勉強をしていたことがあったので、アタシの作品を見ていただいて、傷の消し方や、版をどうやって製版するかを教えていただく。 まあ、ちゃんとした製版は、もうやらないんだけどさ。汗。 アタシの場合、リトは何枚も作らないということに決めたからね。 そんでもって、そのあと、二人でガラス絵を作ることにする。 |
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彼は、3分程度で、全ての版を描き終わっていた。 『乾いたら色つけるねん』などといいながら、アートの話で盛り上がる。 絵の具を乾燥させたりしている間に、アタシの作品を見たり、アタシが作った壊れそうな乾燥棚を見たりする。 版画用の乾燥棚には、ツルっとコーティングされた厚紙が板として使われているのだが、それを見た西田さんは、 『おおっ、この紙、モノタイプできるんちゃうか?』 と言い出す。 もっ、モノタイプ。 |
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マティスの展覧会に、2−3点『モノタイプ』という作品があり、一体どうやって作るんだろうと気になっていた。 オジャラ『モノタイプって何?』 西田『モノタイプっていうのわなー、こっちのツルっとした紙に絵ぇを描いて、絵の具やインクが乾燥しないうちに版画紙なんかに印刷する版画のことや』 オジャラ『おおっ。そっ、それって、一枚しか印刷できないんじゃないの?』 西田『だからモノタイプや。』 オジャラ『えっ、エディションって・・・』 西田『一枚しか作られへんから、1/1やな。』 オジャラ『おおっ。そういう版画、見たことある。モノタイプのことなんだぁ。そんじゃ、早速なんか作ってみる。』 ということで、ガラス絵は放棄されオジャラは、モノタイプ制作にシフト。 |
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西田 『まず、刷る紙はイイ紙ね。なんかある?』 オジャラ『ブレダンがあるけど。』 西田『版画紙やろ。ヨイヨイ。ほなら、それ濡らしてな』 オジャラ『インクの吸い取りを良くするのね。了解』 西田『ほんで、こっちに絵を描いてみ。そんですぐにプレスするんや。』 オジャラ『こんな感じ?』 西田『絵の具がちょっと固くて、紙に張り付いて痛んでしまっているから、もう少し水で溶いてみ。』 |
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オジャラ『こんどのはどう?』 西田『紙の外に絵が流れ出ているから、もう少し大きい紙にした方がエエなあ』 オジャラ『なるほー。』 みたいな感じで、この作品は、短時間に何枚もできちゃうのよ。あ゛あ゛。 ニシダさんは、絵の具が乾くまで暇そうだったので、またガラスを与えてみる。 そうすると、今度は絵の具を直接ガラスに置き、もう一枚ガラスを上に乗せ、モノタイプ風に。 あ゛あ゛。 地球環境破壊的な二人。 こんなに短い間に作品ができると、保管する場所が大変だという話で盛り上がる。 |
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アタシは結局、モノタイプを10枚も作ってしまっていた。
この絵が売れるとは思えないので、やっぱ、版画紙はよそうかなと、弱気になったりもする。 水に漬けた版画紙の水分を、半紙で吸い取るのだが、びしょびしょになってしまう。 そうして、モノタイプの版と、版画紙の間に半紙をはさんで印刷してみる。 おおっ。モノタイプなのに、2枚印刷できるんだぁ。 なんかお得じゃない? 今日始めたばかりなんで、まだ、絵が見れないけど、なんだか楽しげなムード。 短時間に作品を作るアタシにピッタリの技法かも。 オジャラ『マティスのモノタイプは、リノカットみたいな線でしたけど。』 ニシダ『うーん。背景だけモノタイプで、あとはリノカットというのも有り得るけどなあ。こういうので、色をつけて、この後、銅版画というのもできるんやで。 そうすると、色付けがカンタンや。』 オジャラ『おおっ。イロイロと応用できそうっすね。やってみる。うんうん。』 ニシダ『クモリガラスや銅版なんかでも、モノタイプできるんやで。』 オジャラ『おおっ。それもやってみる。』 |
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みたいな感じで、西田さんは、次の約束に流れていった。
アタシは、モノタイプの版の紙がなくなったので、肉用トレイで一枚作ってみる。 上には葉っぱを置いてみた。 版→ぬれた半紙→版画紙 の順で置き、プレス。 おおっ。絵の具が流れてしまったけど、こんな使い方もできるんだ。 水とインクを工夫すれば、果てしなく作れそう。 肉用トレイの場合、版から完全に紙に絵の具がシフトしてしまうというのも解った。 コート紙の厚紙は、アクリル絵の具を載せた場所に、絵の具が少しだけ沁み込んで、版となって残される。 二枚展示っていうのもイイ感じ。 唯一の難は、売れる気がしないってところかなあ。はぁ。 |
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