◆◆◆ 238 ★ 先生が来てくださる ◆◆◆
2004.12.3 オレンジのレトリック 作田富幸先生の作品で、版画展でチャリティーで購入。 銅版画とは思えない美しさ。 |
お忙しい師走というのに、銅板画の作田富幸先生があとりえを訪ねてくださる。 『あ゛ーっ、先生、来なくていいって言ったのに・・・・』みたいな。キンチョーするぜ。 先生の所から、ウチは物凄く遠くて、しかも、銅版画といえば、新作は失敗続きだし、リトはまだ見れるほどではないし・・・・汗汗状態。 そうして、何枚も壁に掛けられているセンセイの絵をご覧になって、『ああ、飾って下さっているんだ』などと、敬語調のセンセイ。 『日の丸ちゃんと、モナリザちゃん(→それぞれセンセイの作品)は、もったいなくて、まだ飾っていません』 みたいな会話。 『先生の作品や、そのほかの先生方の作品を拝見しながら作品を作ると、雑な私の作品も、多少レベルが上がってくるような気がします。』 とアタシ。 |
先生の作品の下に来ると、差が目立つぜ。 |
ウチのあと、御茶ノ水で展覧会をしている高橋さんとママの個展に流れるそうだ。 先生は、初期の作品から時系列で全てを収録している作品集を見てくださり、最初の作品は、『ああ、これは、初々しさがありますねー』などと感想を述べてくださる。 そうして、お教室でいくつも手がけているのだが、変な作品に限って覚えていらっしゃって笑える。 硝酸で作っていた頃と、今作っている作品の線の感じが違うので、その辺をどう考えるのかとかいう話にもなる。 『硝酸は、体に相当ヤバイんだけど、その線の魅力にハマリ、まだ硝酸を使っている作家さんは沢山いるんです』 などという話になる。 『そんなにヤバイ思いをして作品を作るのもねえ』 |
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小さいビニールの皺まで浮き出た、プチプチビニールの作品にも感激。 先生『これ、ソフトグランドですか?』 などという話になり、 オジャラ『いや、銅版に、直接乗せて、糸でグルグル巻いてドボンです。』 先生『あー、それでも、こんなにビニール感が出るんですか?』 オジャラ『この作品に芸術性は全く感じませんけど。でも、カンタンで子供にも作れるので、学校の授業なんかに取り入れるといいかもなと思います。絵が描けない子にも作れますから』 というマニアックな会話。 |
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そうして、刷ったばかりのリトカレンダーを見てくださり、 『オジャラさんは、大きい版に、伸び伸びと描く方が、小さいところに凝縮した絵を描くよりも合っていますよ。』 などとアドヴァイスしてくださる。 オジャラ『そうっすか?そんなこと、考えたことも無かったっす。リトは、カンタンすぎて、作っていてつまらないです。銅版画は、どうやって溝を作るのかを考える時間が一番楽しいです。』 と言うと、納得されていた。 先生『確かに、銅版画は、技法が沢山あって、習得する楽しさもありますねー。』 |
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リト刷りの作品とは、やっぱり違う力が銅板画にはあって、そうして、その魅力から逃れるのは難しい。 リトグラフは、版代が無料なのと、印刷に時間がかからないという理由で、この先も作品を作るとは思うけど、やっぱり、勝負するのであれば、銅版画になると思う。 私にしか描けない絵を銅版に刻んで、私にしか作れない線を作る。 作家なのだから、そうでなければならない。 先生もやっと、専属で扱ってくださる画廊が出来て、『ここまで来るのに20年かかりました』と話されていた。 先生、おめでとうございます。頑張りました。 私など、まだ絵を描き始めて3年経つか経たないかである。 アタシ程度の作品が、そんなに簡単に売れるはずがないということである。 そうして、銅版画教室の仲間や、みんなの作品を見たり刺激されたりする時間というのは、本当に楽しい時間だと思わされ、先生のように、ご自分の世界を積み上げてきた人に作品作りを教えていただけるというのは、何て幸せなことなのだろうと、自分の運の良さを思い知るのである。 |
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