◆◆◆ 2257 ★ 片岡球子展  スケッチは語る-2  ◆◆◆

個人的な感想にはコメントの前に*印

2015年7月5日

片岡球子  スケッチは語る-2

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うわー、ズコイな。

デカイ皿。

指で大量に練った絵具。

油絵用の絵具と木工用ボンドを手で混ぜ、指で絵を塗ってゆく。

そうだよね。

アタシも、初めて日本画の絵の具を指で混ぜたとき、フツーに指で描いた。

それが自然だからである。

指についた絵具、洗い流すの、もったいないもんね。

指でどんどん描いて、絵具が無くなるまで描き尽くした。(四十三枚あった。(*°▽^*))

そうなるよね。筆はいつ使うんだろうって、ずつと考えた。笑。


木工用ボンドはどうかなー。

油画のような凹凸の大きなマチエールにはなるけど、耐久性が心配。

ニカワのように、長期的な命を持てるのか。


三十年ぐらいで、ボンドが劣化して、画面から剥離してくると思う。

建材用のボンドなら、もう少しイケるかもしれないけど、わからない。

500年はムリと思う。


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まあ、絵の迫力は出るよね。

油絵具ではダメだったんだろうか。

同じマチエール。


「自分の気持ちがそのまま出てくるんです。高ぶってきますよね。気持ちがね。山肌がそこにあるように、

絵が描ける。」

弟子の画家の方の話。


日本画でこの盛り上がり、ボリュームは出すのが難しい。

*確かに、油絵っていうのは、乾くのに時間かかるからね。

日本画は、乾くのが早いので驚いた。

もう、描いて、何分かすれば、すぐに、次の色が重ねられる。

このスピード感。


アタシは油彩から始まったので、乾燥時間というのはあまり気にならなかったけど、

日本画の人が、どうして油彩に進まないのかという謎については、ずっと考えていた。

そうか乾燥時間と、その色である。


なんという美しい色だろう。

(まだ三色しか使ってません)


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京都 等持院

足利尊氏の菩提。

初代足利尊氏の木像。


この像と対面した球子は驚く。おおらかな表情に見えた。

時空を超えて、現代に蘇らせたい。

尊氏のおおらかで柔和な感じを表現したい。

額をおおらかなカーブで縁取る。

着物の文様は、史実を徹底的に調べ上げる。背景は、ボンドで凹凸を付けたとも言われている。

1971年 葛飾北斎。

赤富士の前。世界に名だたる江戸の巨匠。

ちょっとでも間違ったことをすると、今にも怒り出しそうな北斎の面。

三代目豊国と遊女。

(この頃から、絵に動きが出てくる)

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球子先生の肉声

「日本のために、何か仕事をした人。印象的な仕事をした人という方を描いていこうって思っております。

現代に生かしておきたいなっていう風に思うわけです。


是非、現代に生きて、仕事をしてほしいなと。

過去と現在が一緒になっているような考え方で絵を描いているんです。


心の中を見抜くんだから、こちらの望遠鏡が弱いと、なかなか、心の中まで覗けません。

心の中までも描いて、しかも、その人が活き活きとしている。

今でも生きて、何かに影響している。生き物のようなものをね。

そういうものを描こうと思っている。」




前回の、葉山の片岡球子展のときの解説に、山本容子センセイが、

「これって、ズルイですよね。アタシも、こういうの作りたいです」

とキッパリ語られていたのを思い出す。

「あからさまにね、やると、パクリだって言われちゃう」

みたいなコメントもあり、そのあと、音楽家の肖像画シリーズなんかを手掛けられていて、

これをヒントにしたんだろうと、アタシはピンときた。


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あ゛ー。疲れた。

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