◆◆◆ 2254 ★ ガラスの茶室 光庵 吉岡徳仁  ◆◆◆

個人的な感想にはコメントの前に*印

2015年7月3日

ガラスの茶室 光庵 吉岡徳仁


京都東山 将軍塚清龍殿


ガラス張りの茶室。

この景色を借景にして、茶を楽しむという趣向。

素晴らしい。

そうだよな。茶室は陰気でいけない。

さっき見た、遠州の茶室も、窓は多いけど、薄暗くてね、、、、、

と思っていたところである。


茶室というのは、実に、二畳あれば用は足りるのだ。

広過ぎてはいけない。

客人との距離を、物理的に短くすることにより、親近感を一気に高めてゆく。

ただ、きらめく光が降り注ぐ。

畳のかわりは、水の波紋のようなガラス。

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*夏は暑くないのかとか、考えちゃダメだよね。笑。アタシって、小物だわ。

成長してゆく決勝で創られた椅子。デザインとアートの境界を軽やかに行き来する。

ガラスの茶室には、自分の中にある日本に思いを巡らせる

「日本の文化、様式を距離感を持って作品を作ったんですけど、作品に入ると、日本を感じると言って下さる方が多い。

日本人が、なぜ自然との不思議な関係性があるのかを自分でも知りたいと思ってこれを作った。

自分として一番重要なのは、ただ、空間の中に溶け込むということではなく、光というのは重要。

光そのものを物質化するように作った。」

アートの建築というよりは、建築現場。

普通のガラスよ透明。全部透明度の高いガラスにした。それで印象が変わるから。

ステンレスは、ヘアラインをかけて鏡面に仕上げる。

すなわち、周りの風景を鏡として写す。

空の色とのきは、空色になる。

さらに、プリズムを使い、太陽の光を虹色に映し出す。

茶室に虹色の花を咲かせる。

太陽の角度に併せ、プリズムをセットする。

構想は五年前から。(プリズムの角度はずっと(研究を)やっていた)

*おおっ。波紋に作られたガラスの床に、虹の花が咲いちょる。

「虹出てヨカッタです。」作家さんの安堵のコメント。

「私がやりたかったのは、何故、茶室が、お茶の文化が作られたのか。お茶だけではなく、日本の文化が

どう作られてきたのか。自然というのは、時間を通して変わってゆく。同じシーンは二度とない。この茶室を通して、

そういう体験ができるといい。」

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*やっぱ、コンセプトがシッカリしているから、見ても感動できるね。

アタシも茶人のはしくれだし。

確かに屋根は要ると思う。

私が人生で一番感動した建物は、バリ島にある、バレと呼ばれる高床式の小屋である。

床に柱。屋根。壁はない。


ここに、簾をとりつけて、雨の日は、簾で雨を防ぐ。

建物のルーツだと思った。

私たちは、家にイロイロな機能を持ち過ぎているとも、求め過ぎているとも感じた。


敷地内や、道路沿いなどに、小さいバレがあり、みんなが集まり風を楽しむ。

そうだよ。風を楽しむんだよ。

そんな時間、長らく持っていない。


茶室には、当初、ピップ役人(将軍だの、地方の城主など)の密会の場所だったからね。

開かれていたのは、膝と膝を突き合わせた軍事会議。遠くから馬や歩いて来るから一期一会。

そういう時代の歴史を知れば、薄暗くて、小さい敷地に、ひっそりと建てられたという話にも

納得できる。


軍事機密漏れちゃうと困るからね。壁は要るよな。笑。

現代の茶室には、壁は要らないよ。ただ、狭い空間に仕切る何かはいるね。

狭い空間に閉じ込められた時の人間の心理というものも、よく研究されているのだと思う。

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