◆◆◆ 1947 ★ 川瀬巴水展 ◆◆◆
インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送
(あとはいつでも見れますよん)
2014.1.19. 朝、美術番組を消化。 うっひょー。千葉市美術館、明日まで。 川瀬巴水の版画は、版画芸術の、何年か前のカレンダーで頂いたことがあった。 正確には、印刷のカレンダーで、版画ではない。 ぶっちゃけ、原画が版画であっても、印刷物の方が良いことの方が多い。 ので、実物は、見てみたいと思っていた。 ということで、本日は、急きょ、千葉市美術館を襲撃することに決まる。 江戸時代から版画一筋だった職人さんが、版画が時代遅れとなり、仕事が無くなってしまった時期、新しい版画を創設しようという動きがあったことは、容易に想像できる。 そういう、作品群で、個人がなしえる画業ではない。 あの、版画芸術の年始の、カレンダーに収録された作品が、特に素晴らしかったというのは、言うまでもない。 |
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くだんのカレンダーは、ちょうど、年明けに、バラの助ちゃんが訪ねてきて、彼も風景画家のため、彼に差し上げてしまった。(物凄く欲しそうにされたため) アタシが持つよりも、そうなるべき品だと思う。 アタシは、風景は描かないし、彼は、風景しかかかない。 薔薇の助「僕の絵は売れますかね」 オジャラ「良い絵ねぇ。日本で売るのは難しいかもしれないわね。」 川瀬の版画のカレンダーを彼に差し出す。 オジャラ「この人はね、有名な版画家なの。アナタの絵と、彼の絵、大きい違いは無いけど、ホンの少しだけ、違いがあるわけ。その違いが解って、そこまで、力を上げないとね、売れる日も来ないのよ」 アタシは、彼にそう言い、二人でカレンダーを見つめた。 何という品格だろう。 |
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彼は、25才から画家を志し、27歳で鏑木清方に師事。 35歳ごろ、版元の渡辺さんに見染められ、版画の風景画の下絵を書くために日本全国を回ったのだという。 それにしても、沢山の作品が展示されていた。 版画なので、本刷り前の、試刷りで、少し、ズレたやつなども交じっていたが、展示されていないよりは良い。 あと100年ぐらい経てば、もう少し認める人が増えるだろうという内容。 個人的な感想を言えば、北斎のような構図の妙も、広重のような軽やかな人々の息遣いも感じられなかった。 それでも、名前に水とつくだけあり、水面の表現や、雪、雨の作品は秀逸。 日本の原風景がいつまでも脳裏に残り、優しい気持ちになれる。 それでも、展示数が多く、全てが風景画なので、飽きてくる。あは。仕方ないわ。 |
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千葉市美術館の収蔵品の展示も拝見。伊東深水の美人画に安堵。 やっぱ、アタシは、裸婦の方が心が落ち着くわ。 そうして、歌麿の浮世絵を思い出しながら、巴水が人物を描かなかったのは、やはり、描けなかったからだろうと思う。 師事したのが鏑木清方だったというのがついていなかった。彼以上に女性を美しく、芸術品として描ける人は見たことが無い。 彼の元で人物を描ける厚顔は、弟子であったとしても、この世には多くない。 巴水としたって、描けたら、描くはずだし、日本の美意識の頂点を目指すのは、誰にも出来ない話である。人物を自分の絵として描くことは想像以上に難しい。 それにしても、何て、コンディションのヨイ版画たちだろう。 もう100年ぐらいは経つと思うけど、どの版画も大切にされてきたのだと思うと嬉しかった。 それから、大きさ的な安心感もある。無駄に大きくなく、サイズが揃っているということもあって、集めて、桐箱などに入れ、小さく収納し、広げて手にとって見る楽しみというのは、確かにあると思う。 アップルの創設者、スティーブ・ジョブ氏が、日本に来た時に、巴水の作品を画廊で一枚求め、帰国後、彼の作品を全部買うと、アメリカから秘書が電話してきたという逸話がテレビで紹介されていた。 スティーブが手にしたのは、富士の上に、桜がかかる、美しい版画だった。(土産物の王道的なね) アタシは、こういった作品に自分の心が動かされることはないと思っていたが、じんわりと、日本の良さというのは心の中に沁みこんでくるものである。こういった類の作品の良さが解るようになってヨカッタよ。 巴水も、「東京出身ということもあり、東京を描くというのが下手くそだ。だが、長年住んでいたこともあり、描き始めると次々と描ける」と書き残している。 あはは。何かわかる。 そういえば、昨日、マルイの11階のギャラリーで、足立メッセという展示がされていて、千住100景とか、足立100景みたいなポストカードが販売されていたけどな。 上手くは描けているけど、絵に、引き込む物がないんだよね。良さが不足しているから、作品を見続けることができないの。 そういう意味では、復刻版画だとしたって、北斎や広重の版画のクオリティーの方が、圧倒的に高いしね。 複雑な気持ちが残る。 |
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