◆◆◆ 1840 ★ 竹内栖鳳展-3 ◆◆◆
インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送
(あとはいつでも見れますよん)
2013.10.3. S嬢は、展覧会に来たのがはじめてらしく、特に今日は混んでいるというのに、順路というものには頓着しないのだ。 アタシが、「こっちの絵は、アナタ、まだ、見てないんじゃないの?象の絵とか、」 S嬢「あとで見る」 そうして、何室かを、片方だけ見て歩き、今来た部屋を、順路に逆らって逆行するものだから、次々と人にぶつかってしまうのだ。 付添い人としてのアタシは、自分の役割を全うしないといけないことを思い出した。 ので、次の部屋で、彼女に順路の説明をし、人の流れに沿って、あっちからみようよと提案するのだった。 |
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栖鳳展を見終えて、一旦、外に出て、麦茶タイム。皇居を眺めながらしばしの休息。 そのあと、常設展へ。 近美は、来るたびに展示が変わっていて、学芸の方たちの熱意が伝わってくる。 気持ち的には、解説は、もう少し大きい文字、26-40ポイントぐらいで、大きい紙に作ったらどうかと思う。 大きすぎると若いアナタは思うかもしれないが、来る人の大半は60才以上のヒマヒマで、眼鏡をかけないと文字が読めないのだ。 そんでもって、新聞などは虫眼鏡で読むくせに、こういった小さい文字は、読まずに進んでしまう。 読めれば読みたいというインテリなのに、荷物といっしょに、眼鏡もロッカーに入れてしまい、取りにいったりもしないのである。 若い学芸の人が展示の中心になっていると思うけど、展覧会会場をよく見れば、文字を読んでいる人のほとんどは年配者である。 そういう人が、より深くアートを観賞するための解説なのだから、二枚に分かれて、展示が見苦しくても、文字が大きい方が、より楽しむ方が増えるというのがアタシの考えである。 アンケートにも時々かくけれども、この前のラファエロの展示などは、思い切り文字を大きくした解説は、素晴らしいと感じた。そういう展示があるのだから、アタシも、意見を出し続けようと思うのだ。 今まで見たことある作品も多いけど、初めて見る収蔵品もいくつもあり、コレクションの深さを思い知る。 |
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S嬢には、昔、絵を教えていたことがあった。 彼女の精神状態が改善してきて、病気の階級が下がってくるとともに、彼女は正常に戻りはじめ、絵を上手く描こうとするようになり、(上手く描けないので)絵を描くのもやめてしまったのだった。 |
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このあと、4階から常設展を見ながら、下に降りてくる。日本画のお部屋も、どれもよく展示してあったが、栖鳳の傑作を先に見たため、どうにも感動できなかった。 S嬢もついてない。 上の階に飾ってあったスズメの絵も、上手くは描けていたけど、生き生きとしたものや、チュンチュンという声は聞こえない。 画力の違いということよりも、被写体への愛の度合いということの方が大きいだろう。 あんなにもスズメを愛せたなんて、そういうまなざしが、絵を通して残っていることが素晴らしいとアタシは思うのだった。 |
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それから、巨匠の作品が並ぶ洋画のコーナーへ。 パウル・クレーの、大胆な抽象画を前に、アタシは、S嬢に、「アナタもこれぐらい描けるんじゃないか?」と聞くと、 S嬢「ウン。描けると思う」という回答。 そうだろう。彼女の内面から出てくる激しい感情というのは、それは、狂気を伴った人間の根本である。 こういった作品が存在することすら、彼女は知らなかったことを思えば、本日、アタシが彼女を誘い、ここに来たのは必然だったとも思えてくる。 |
これは、三丁目の氷川神社の、古い建物の方。 確か、ナントカブンカ財だったような気が。 千住の案内のときには、ちゃんと調べて入れときます。 |
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