◆◆◆ 199 ★ 人物の習作 ◆◆◆
2004.10.6 |
バラの絵ばかり描いていると、さすがに飽きてくる。その点、人物というのは行き詰まらない。 モデルを替えればいいだけだ。(アタシの場合、どの人もみな同じ顔だけど。) 人間だって、フツーに描いた作品から、ピカソ風、マティス風、モディリアーニ風などと、描きかえれば、それはそれで、また時間が潰せる。 模写のコトをバカにしているアーティストは多いが、マティスの作品を一度コピーしてみて、その難しさというのが理解できた。 印象派の作品を見るときのポイントは、どうやって色を塗り重ねて、あのような美しい色彩を手に入れたのかというのを考えながら見ることである。 美しい絵だけが飾られる。 絵を美しい色で描くというのは、技術に他ならない。 印象派のグループは、高い技法を共有し、更に、オリジナリティーの模索、絵の破壊という方向に進んでいった。 |
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宮本三郎の展覧会で、彼の習作の中にも、『モディリアーニ風』も、『ピカソ・キュビズム風』も、『マチス風』もあったので笑った。 あんなに優れた画家であっても、かなり大きいカンバスに、巨匠画家の作品風のオリジナル作品を残しているのである。 そういう、刺激を受けた作品から得た何かを、カンバスに描き留めることにより、掴める何かがあるのだと思う。 掴んだものは人それぞれだが、それは、その先の絵に、必ず何かを与えてくれる。 最近は、そういう気がしてきている。 有名画家の絵を真似て描くと、『パクリだパクリだ』などと、賛否両論あると思うけど、そういう中にも、自分の画風というのも入り込み、それはもう、巨匠との合作という感じの仕上がりで驚かされる。 |
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ミウラセイコさんのポストカードは、油絵を描くアタシの机の上にいつも置かれている。
アタシは、まだ、影がつけられないのである。 絵の濃淡というのは、とても大切で、人物の場合、特にシルエットが単調なので、どのように影をつけるのかというのは、絵の個性の大部分を支配する。 この影を単調化できるのかとか、何色を使うのかとか、どうつけるのかという話のことだ。 梅原龍三郎は、影の色にグリーンと赤を使う。 それだけなのに、彼の絵というのは、どれも彼の絵でございますというオーラを発している。 アタシが同じ色を使うと、それはパクリと呼ばれてしまう。 パクリにならない色をさがしたり、やっぱり少し真似して感じを掴んだりを行ったり来たりする。 |
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画家が絵の模写をするのは恥ずかしいことではないと思う。
アタシのように、全てを公開している人も珍しいが、画家であっても、HPに絵を全く載せない人もいる。 アタシの場合、描く量が多すぎて、写真付きで記録しておかないと、いつ描いたのか思い出せないので、仕方なくこの方式になってしまったのだが、完成していない作品を掲載することが、画家として好ましくないと思っている人もいないワケではない。(正確には、量が多すぎて、全部ではない。油彩は、なるべく全部公開したいとは考えている) 作家さんたちが最も危惧しているのは、『作品のアイディアが盗用されてしまう』ということのようだ。 しかし、現実に、写真なんかを見ながら絵を描く画家さんというのは多いらしく、写真家の人は目を光らせているらしい。 なんだかなあ。 デジカメがあるんだから、自分で撮影すればいいのになあ。 人の作品を盗用しなければならない人の気持ちは、アタシには解らない。 |
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一つだけいえることは、絵を盗用したりする人は、よっぽど才能がないんだろうということだ。 盗用というのは、『人が描いた絵を自分のオリジナル作品です』と言い張ることで、贋作とは違う。 模写と贋作というのも微妙である。 贋作というのは、人を騙す目的で作られた、ホンモノに似た絵のことだ。 アタシにとってはどちらも大差ない。 今一番大切なのは、とりあえず、個展のポストカードに使う、見栄えのイイ作品を一枚仕上げることである。 やっぱ、さすがにポストカードは、ピカソ風はマズイかなあとか、深沢風はマズイかなあとか、それ位の常識はあるつもりではいる。 でも見栄えが優先になるかもなあ。はぁ。 まだ、たいした作品が作れていないということに他ならない。 このコンテンツを作ると、自分の気持ちが整理できて便利だぜ。 |
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人物の絵というのは、まだ固まっていないので、これから変容してくると思う。
ポストカードを作るのは、次回の個展にするべきかもしれないと思ったりもする。(金がかかるので) 遠方からわざわざ足を運んでみて頂くほどの作品にはまだなっていない。 似たようなバラの花ばかり見せられたのでは、『来るんじゃなかった』と思われてしまう。 新しい和筆を2本買う。 細かい部分を描き込むときに使う筆で、その筆は、白、赤、青、その他の色という風に、4本になる。 アタシは、筆を洗わないで絵を制作するので、色の数だけ筆が要るのである。 それにしたって、和筆よ、高すぎるぜ。 |
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