◆◆◆ 152 ★ 肖像画のための習作 ◆◆◆

2004.7.30

ここのところ、有名人のポートレートを見ながら、絵の練習をしている。

有名な人には、それぞれの花があって、とても心が惹かれるからである。

それにしたって、オジャラよ。見た人が、この人は、誰だか解らない肖像画というのは、問題があるぜ。

(物凄く有名な人なんだけどね・・・・。)

そうして、写真のような肖像画を描く商売のことを思い出す。

そういえば、タイに行ったとき、有名絵画の複製画ばかりを作って販売しているお店を多数みかけた。

そこは、何十人もの画家が出入りしていて、気分が悪くなるような油と筆洗い液のニオイにまみれていた。

そうして、どんなに模写がうまくて、上手く描けた模写の絵が売れたとしても、彼らは、自分の絵が売れるということはないんだろうと思うと悲しくなった。

何が悲しいのかといえば、絵を見る人が、みんなして、有名絵画しか買わないという、その趣向が悲しいのである。

絵で生活するために、描きたくもない絵を描き、食いつなぐ。それが現実というものである。

そうして、写真を見ながら描いても、たいして本人に似ていない絵しか描けないアタシは、それ以上に問題が深刻だということも、多少理解できる。

こんな練習でも、しないよりはマシで、大きすぎて、紙に入らない絵は、ムリをしながら、紙の中に閉じ込められてゆく。

モディリアーニは、肖像画の注文が入ると、最初に、何枚か、その人を見ながらスケッチし、さらに、何十枚(20-30枚)ものスケッチを重ね、一番その人らしい構成を完成させていた。

それは、本当に美しいスケッチで、完成された作品がそのまま油絵になっている。

アタシは、スケッチするときに、エンピツやコンテを使わないので、まず、クレヨンで、写真の模写をしてみることにする。

この絵は、顔が少し大きかったと思う。

もう少し小さく描かないといけなかった。

もう一枚描くときに、気をつけようと思う。

ヨミウリ新聞で、『ガンバレニッポン』という冊子に掲載されていた写真を写させていただく。

アタシは、いつも顔を大きく描きすぎてしまうのだ。

そんなもんで、全体が入らない。

この絵も、顔が大きかった。

写真は、両方の腕まできちんと入っていたのに、はみ出てしまう。

次は、体全部を入れられるように気を配りながらスケッチしよう。

たぶん、モディリアーニも、そういうふうに、全体のバランスや、その人特有の表情を、自分なりに昇華させるために、スケッチを繰り返したのだと思う。

そのワリには、受け取ってもらえない作品及び、買い上げてもらった割りには、気に入られなくて、クロゼットに入れられていた作品多しなんだけどね。たはは。

肖像画に使う写真は、女性の場合、何枚も準備する。

イロイロな表情を組み合わせて、その人が美しく感じられるような作品がかけるようになるというのは重要だからである。

オジャラよ。相変わらず、誰だか解んないんだけど。

まあいいか。あんまり似すぎていると、別な問題も出てくるからさあ。

有名人の似顔絵を使った雑誌の表紙に、アタシの絵が採用される日は遠い。

Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.
Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.