◆◆◆ 147 ★ 個展に来ていただいた方の話 ◆◆◆
2004.7.6
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新しいニャンコ到着。 個展の最中だというのに、新しい猫が届く。 正確には、頂くはずの遠方のミケネコは、病気がちで、結局、拾った方が飼うことになった。 そんでもって、ま、そのうちにまたご縁があるだろうと思っていたら、早速ご近所の方が、子猫を拾ってきたけど、もう4匹も飼っているので、里親を探しているという。 そんでもって、ウチで頂くことにする。 名前はケンキチ。 アタシは、『健吉』なのかと思っていたら、どうやら、『拳キチ』なのだそうだ。 あ゛ー。 その名前がピッタリで、早くも大活躍。 |
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そうして、バタバタと個展の日々は過ぎ、入りにくそうな民家に、ボチボチと人が来ては帰ってゆく。 とりあえず、公道に面していないし、私道の道が狭いので、どうにも人目につくことが無い。 かといって、いつでも人が来るというのも嫌だなあと思わされる。制作に集中できないからである。(その心配は無用なんだけどね。どーせ来やしないのよ) 1枚300円で絵が買えると勘違いする人が続出する程、絵に馴染みがない地域なのだ。 それが、失礼とか、そういう感覚も無い。売り絵を見に行ったことがないのである。 下町の家は小さくて、絵を飾る場所がほとんど無いという事情もある。 地域交流は活発で、アートな趣味を持つ人は、無料で絵や書をくれたりする。 そういう人の中には、プロ級の人がいないワケでもない。 『無料アート氾濫で、タダでもらっているアートを飾るのが普通』という地盤で絵を売るのは難しい。 地元の方向けの展覧会と、それ以外の方向けの展覧会は日付をずらしたほうがいいかもなあ。 |
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場所が狭いので、近所の人が連れ立って来たりすると、ホントウに絵を見たい人とゆっくり話しが出来ないからである。 地元の方は、興味本位で来ては、 『絵の事は全く解らなくて』と言い、チラリと絵を見て帰ってゆく。 アルバムやファイルなどには手は触れない。 逆に、絵を見に来て下さった方は、それが、見ず知らずの方であっても椅子に座って、アルバムやらファイルに収納された、何冊もの作品を全部見てくださるのである。 この人たちがゴッチャに来ると、絵をゆっくり見たい人が、追い出される結果になる。 ご近所の人は、暇だと一時間位、椅子に座って近所の人なんかの話をして帰る。 立ち話と同じような感覚のようだった。 アタシも、ご近所の様子を知ったりするのには悪くないし、そういうコミニュケーションも大切にしたいのだが、絵を見たい方の邪魔にならないように工夫する必要があるなと思わされた。 |
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更に、お友達のアーティストが訪ねてきたりする。
アーティストのお友達のほとんどは、絵を見るのが目的で、買ったりはしない。 それは、アタシもそうなので同じだと思う。 アーティストは絵は買わない。自分でも描けるからである。 お友達がくると、お友達じゃない方よりも話がはずんでしまい、お友達でないお客様は、どうにも疎外感を感じると思う。 近所の人、お友達、知らない人などがゴチャッと来たりすると、アタシは一人でお茶を出して、あちこちに声をかけ、誰と何を話せばいいのか途方に暮れてしまうのだ。 この辺も、実はなんとかしたいところなのである。 地元で展覧会をするというのは、『絵の好きな方に、アタシの絵をキチンと見ていただく』というのが目的でなければならないということだ。 ご近所の立ち話は、いつだってできるからである。 |
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もう一つ気になったのは、絵のジャンル分けである。
今回は、油絵と版画と水彩画と切り絵を同時展示したけど、来た人を見ると、版画の人は、版画しか見ない。 絵に馴染みの無い人は、油絵(というよりも、壁面に展示されている作品)しか見ない。 アーティストの人は、全部見る。 みたいな、見に来る絵に分類があるように感じられた。 額縁代の話を除けば、銅版画だって、壁に掲示して見て貰う方が、沢山の方に見てもらえるはずなのである。 |
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とりあえず、地元の人に絵を売るのは無理ということは理解できた。
でも、見に来てくれるということは解った。 作品を見ていただくことは、画家の大切な仕事の一つなので、地元の方向けの展覧会は、定期的にやっていく予定。 次回は、アーティストのお友達と、絵をじっくり見たい方向けの展覧会の日は、別な日にずらそうかと思う。というかさー、毎日アトリエにいるので、いつ来て頂いてもいいんだけどね。うふふ。 |
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そんなこんなで、イロイロと勉強になった初個展でした。
そういえば、最終日に、初日の大量お買い上げのお客様がもう一度来て、更に6枚の刷り増しを注文して行った。 「『主人にもう、絵を買うな』と言われているので、秋ごろ取りに来る」 といい、お代金を支払って帰って行った。 あと6ヶ月も経っていると、新作が大量にできているはずなんだけどなあ。・・・・・。 どちらにしたって、彼女は、アタシの作品を気に入ってくださったようだった。 そうして、そういう方に巡り合えたというのは、個展をあとりえで開いたからであり、勇気を持って個展を開いてホントウにヨカッタなと思うのだった。 ネットの絵も見ていなくて、全く面識の無い方が絵を買って下さったというのは、アタシの絵が気に入ってくれたからなのである。 |
銅版画のお教室に行くときに、新御茶ノ水駅で、笹の葉を発見。 七夕飾り、願い事大量である。 アタシは、★型の短冊に、「絵が売れますように」と書いて、お教室に向かった。 |
結局個展最中は、油絵は一枚も売れなかった。(ネットなどで売れたりはしている)
まだ力が足りないのだと思わされた。
初回にしては、まあ売れた方かもしれない。 アタシは、アチコチの個展を見に行っているけど、どの個展だって、たいして売れたりはしていないのだ。 個展を開いたことで、油絵を描いている画家が近所にいるというのは、少しは広めることが出来たと思う。 町内会で、絵手紙講師のボランティアでもやれば、一気に人気急上昇になるかもなあ。 もう少し早く企画すれば、暑中見舞いに間に合ったのになあ。 ふぅ。下町には、下町のアプローチがあるってことかもねぇ。 例えば、絵は全く買う気がなかったとしても、親切にしてくれた人には、お礼をしようとする気質があるってことなわけよ。 年賀状作りをターゲットに、とりあえず何らかのイベントを企画しようと思うアタシ。 乞うご期待。 |
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