◆◆◆ 139 ★ カンバスの下塗りをする ◆◆◆

2004.6.5

額縁屋のオヤジが、カンバスを少し安く仕入れられるというので、頼んでみることにする。

今まで世界堂とか、ユザワヤなどで安いカンバスを買っていたのだが、持ち帰るのが大変だからである。

今日届いたのは、SM30個と、F3カンバス30個である。

アタシ的には、20個ぐらいづつでヨカッタんだけど、何故か30個ずつになってしまう。

ま、いいか。個展までには完成しないにしても、近々描くことには間違いが無いからである。

絵を描けるカンバスが少なくなると、気が狂いそうになるのよね。

下塗りをしていないと、描きたいときに描けないので、全部に下塗りをする決断をする。

ここで手を抜くと、作品に響くから、下塗りだけは二回したい。

そんでもって、下塗り用絵の具は、自家製を使う。

前回の失敗を教訓に、今回は、ポストカードサイズのビニールを利用。シール付き。

ペインティングナイフを二本とポピーオイル。

ビニールの中で、粉っぽさが無くなるまで練り、片端をカットしてパレットに取り出す。

そうして、今や『ご愛用』と呼ばれている絵の具の練り棒で練り合わせてゆく。

ビニールの絵の具は、最後まで搾り出されて、まるで生クリームのようである。

グルグルと混ぜていると、だんだん、マヨネーズのようになってくる。

ダマが無くなり、艶が出てくるまでよーく練る。

結構単調な作業だと思う。

額縁屋は、『特注サイズの額』というのを安売りしていたので、ついでに、『枠を作ってくれたら買う』と交渉して、4つの額付き枠も手に入れる。

これにもカンバスを張り、せっせと下塗りをする。

二個ある乾燥棚は、新しいカンバスで満杯。

下塗りをもう一度しなくてはならないというのが辛い。

百合の花が1束100円で売られていたので、3束全部買う。

この量で300円というのは安かったと思う。

世の中デフレだぜ。

百合の花の香りがプンと広がって、なんともいい気分である。

百合を描きたいと思っていたところなので、丁度ヨカッタ。

猫の祭壇にも供える。

欲しいモノが手に入れられる運は継続中。

ショウエイのメットももらったしな。

あとりえに設置された、スライド式の乾燥用のフェンス。

描きかけの人物画は、完成されるのを待っている。

それはまるで、病院で患者が並んでいるのに似ていると思ったりもする。

インクを練りながら、最近会った二人のドクターのことを思い出す。

どちらもアタシと年が同じくらいで親近感がある。

そうして、『画家だ』と話すと一瞬、羨ましそうな顔をして、決まって『何故画家になったのか?』と尋ねるのだった。

百合の花の描き始め。

最近、花とのコントラストを出すために、葉の奥の部分は濃い系の色で、背景は明るめになるように、どんどんと薄い色を広げてゆくような感じで仕上げるようにしている。

百合の花は近くに置いていることもあり、結局花瓶の下の方が切れてしまう。

ま、いいか。

このカンバスは20号位あるけどなあ。

新しいカンバスに描き始めるときには、かなりの勢いなのだが、失敗してしまうと、それを直すのが大変で、そんな苦労するのであれば、バラにしてしまえっ。

みたいな、流れが続いている。

そんな風に描かれたバラは可哀想だと思ったり、結果が良ければ、それもアリかと思ったりを行ったりきたりして、また一日が終わり、筆を洗う。

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