◆◆◆ 077 ★ 絵の価格について考える - 2 ◆◆◆

2004.2.17

あんなに素晴らしい、ニシゾノ君の作品であっても、売れたとしても、自分には4万円しか入らないのである。

画廊などを通さずに、自分で売ることができたら、8万円の収入になるのかどうかを考える。

フツーの人は、8万円の絵を、ポンと買ったりはしない。

よーく考える金額だからである。

じゃあ、その値段で、誰が買うのかというのも考えてみることにする。

お客様の絞込みというのは、マーケティンク゛の基本だからである。

その値段で作品を買ってくれるのは、収集家しかいない。

それじゃ、収集家は、どんな作品を買っているのかという話になる。

無名の作家の作品を買うことはない。

よっぽど安くて、よっぽど価値があると思えれば別だが、常識的に考えれば、賞を取ったり、美大を出たり、画壇でセンセイについていたり、そういう、身元もシッカリしていて、キチントした作品が描ける人の作品に限られる。

そんな目の肥えた人が、アタシの稚拙な作品を買うはずが無い。(独学)

販売先のターゲットを見直すことにする。

もし、フツーの人に販売するとしたら、どうなるのか。

単純な話、『ちょっと迷ったけどポンと買える』値段で販売しなければならないということになる。

ポンと買える金額とは、一体いくらなのか?

デパートなどで、額付の油絵1万円均一セールなどで儲けている、額縁屋のオヤジに話を聞いてみる。

『3万円の絵までしか売れない』

不景気なご時勢なのである。

フツーの人は、『3万円』の油絵というのなら、買ってもいいと思うみたいである。

自分の作品では食えない、絵の上手い人が、インテリア用の、大衆向けの油絵を大量生産しているという事実がある。

中には、アタシが見てもいい絵もあるんだけどね。

お客様が、どんな絵を選ぶかというのは、千差万別なのだそうだ。イロイロと取り揃えなければならないということらしい。

最近、作品が、多少見れるようになってきたせいか、ネットで絵を販売してみたらどうかと言ってくれる人が多い。

そうして、必ず、いくらぐらいなら売れるのかという話になり、笑える。

画家というのは、絵を描くというだけでなく、絵も売らないとならない。

もし、絵で生計が立てられないのであれば、それは、画家ではなく、趣味だからである。

画家なのか、趣味で絵を描いているのかというのは、全く違う話なのである。

それじゃ、他の画家はどうしていたんだろう。

ほとんどの画家は、絵が売れないで困っている。

ピカソも、ルノアールであってもそうなのだ。

そんなもんだろう。

池田満寿夫は、自分の本にこう書いていた。

『初めて絵を売ったのは、絵が100円で額縁が200円だった。それでも、金を払って絵を買ってくれるのであれば、いくらでもいいと思った。』

金を払ってくれるかどうかというのが、重要だ。

絵という商品には、定価などないからである。

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