◆◆◆ 076 ★ 絵の価格について考える ◆◆◆

2004.2.17

とある掲示板で、絵の価格はいくらが適正なのかという話が盛り上がっていた。

『98万円で買ったシルクスクリーン版画は、その日に別な店で買い取ってもらうとすると、7-10万円相当である』

らしいのだ。

そんなもんだろう。

シルクスクリーン版画を98万円で買うほうが間違っている。

でも、勘違いしてはいけない。

価格の決定権というのは、販売店にあるのである。

オジャラは、商学部だったから、売買の仕組みに関しては、勉強したことがある。

『商品の価格というのは、売主が、自由に決定できる。』

商品が売れる瞬間というのは、

『お客様が、買いたいという値段で商品が販売されている場合』

かつ、

『お客様が買う』という意思決定をした場合である。

オットは、ラーメンが大好きで、流行のラーメン店の番組なんかも、よく見るのだが、『ラーメン1500円は高すぎる。』

などと、アタシに怒りをぶつけてくる。

いくら旨くても、『チャーシュー麺950円までだ。』

などと、彼なりのラーメン道をアタシに熱く語りかける。

そんなにアタマに来るなら、ラーメン番組など、見ないでくれと、アタシは、内心思わないわけでもない。

どうせ、食べに行ったりはしないからである。(並ぶのが嫌い)

商品の価値や、価格相場というのは、人それぞれなのだと思わされる。

シルクスクリーン版画の話に戻ると、98万円の作品を買い、今度はそれを売ろうと思って、安価にしか売れないという現実に、アタマに来たとする。

何が悪いのかという話だ。

もし、その作品に、98万円の価値が無いのに、98万円で買ったとすれば、誰が悪いのか?

販売者ではなく、購入者の落ち度である。

購買者の勉強不足なのだ。

それを、『不当な価格で売った画廊』のせいにしているだけである。

では、適正な価格というのは、一体いくらなのか?

その掲示板では、『絵の原価や、作成者の人件費、販売店の手数料、額縁代云々・・・』と、話が展開していった。

アタシが勉強したのは、

『商品というのは、適正な価格で、適正な場所で、適正な人が販売しなければならない』

という現実である。

アートの場合、誰が何処で、どう売るのか?

見込みのあるアーティストは、画廊やデパートなどでも、力を入れて販売してくれる。販売の値段も決めてくれるらしい。共存が可能だからである。

見込みの無い作家からは、画廊は、レンタル料を取る。1週間で、10万円とも、20万円とも・・・・・。どちらにしたって、自分の作品が画廊の食い物になっているのには間違いが無い。

ギンザで個展を開いていたニシゾノ君の場合はどうだったのか。

レンタル料は、通常の半額にしてくれたのだそうだ。

でも、作品が販売できたら、販売手数料を画廊に払わなければならないという契約だ。

絵の価格設定は8万円。

まあ、半額くらいは、画廊に支払うという契約になっていたんじゃないかと類推できる。

自分の収益は、絵が一枚売れて、4万円程という計算だ。

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