Rica's Works Oil Paintings

クマガイモリイチのCOPY風ケン R

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memo

2005.6.5作成

昨日、熊谷守一美術館で、彼の作品を見る。やっぱ、油彩には秀でた特徴がある。

どんな絵でもそうなのだが、色の面で絵を構成するか、線で区切り、その中の色を区切るのか、もしくは、その併用の3パターンしかないのである。

アタシは、どちらかといえば、狩野派なので、線で縁取り、その中に色を置いていくタイプの画家である。

熊谷さんも、全く同じタイプ。

違うとすれば、彼は、最初に描いた絵をまず乾かし、後日、線を細く残しながら、色を置いてゆくという技法と比較して、アタシの場合、線を描画したあと、一気に色塗りまで進めてしまうというところだと思う。

色を線で仕切り、隣の色と混じらないようにするという技法は、ものすごくシンプルなのだが、絵が短時間で完成する。

梅原や、中川一政みたいに、強い描画の力で、強引に進めてしまうというのとは、少し違うのだが、制作時間はあまり変わらないんじゃないかなと思う。

どちらのタイプにしても、キチンと被写体を捉える力を持っているということには違いない。

筆運びが正確でないと、短時間で絵は仕上がらない。

短時間で絵を仕上げるというのは、そんなに大切ではないのだが、フォルムを変更したりすると、絵の完成度が落ちてしまうのだ。

美しい絵というのは、キッチリと形を捉えることのできる描画の力の上に作られている。

大きい絵になればなるほど、細部の描画が乱れてくる。

小さい絵を繰り返し完成させることでしか、正確な描画の力は見に付かないということのようだ。

それにしたってオジャラよ。フォルムが似て非なるモノなんだけど。

「いーのよぉ。これ買うと800万なんだよ、自分で描いて、飾ることにするぜ。皆さん、近寄って見ないでね。」

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