◆◆◆ リトグラフにチャレンジ ◆◆◆

010 ● CDマーカーでの試作

写真下が、最近パソコンのCDコーナーに販売されている、CD専用マーカー。

ツルツルとした面に固着する、新しいペンである。

オジャラは、早速銅版画に試してみる。もちろん、銅版画の出来もバッシシで、お教室でも大流行。

まず、これを買うというのが流行っている。

銅版画に使うときには、銅板に直接描画し、熱して利用する。

→オジャラ考案+先生に熱処理の指導をしていただき、版はより強固になる。

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リトグラフでは、描画部分を油分に分離するために、『エゲンラッカー』という品物を利用する。

この、エゲンラッカーというのは、『アルコールでしか溶解しない液体』なので、これを散布

した部分は、油性で、更に、インクなどでも壊れない版になる。

オジャラはここでピンとくる。

この、CD用マーカーは、『アルコールでしか溶解しない』という筆記具なのである。

それは、アタシが、銅版画で調査済みなのだ。

であるからして、小さい版で、これがリトに使えるか試してみる。

まず、目立てしたアルミ板に、CDマーカーで描画する。

タルクで固める。(→この工程は無くてもいいような気がする。版を熱してもいいような気もしている。)

そんでもって、普通に製版しようと思ったのだが、このマジックでの描画部分は、『エゲンラッカーを塗った』のと同じ効果のはずなので、第一工程を省略することに決める。

まず、版にスポンジで水を引いて、インクを乗せてみる。

おおっ。

カンペキに印刷できている。

あとは、そのまま何枚か刷ってみる。

これだけでオーケーじゃない。

少し、汚れが出たときには、MAX液で拭き取りながら、刷りを進めて行く。

カンタンだぜ。

このままでも、リトと呼べなくはないのだが、試作品なので、製版もしてみることにする。

インクを盛った状態で、版を乾燥させ、水分を取り去る。

そのあと、タルクを塗り描画部分を固める。

そんでもって、SK液を散布して、一晩乾燥する。

これは、どういうことかといえば、描画部分を安定させるという処理である。

翌日、インク部分を灯油で取り去る。

チンクタールを塗る。

乾燥。

チンクタール部分をタルクで固める。

SK液を取り去る。

これで版は完成・・・・のはず。

これで、最初の版よりも、汚れがでなければ、ひと手間かけるし、たいして変わらなければ、もうこの作業は省略するということになる。

左も、試作品の版。

マーカーは赤いので、どうも、インクを盛った絵と違いが解り辛くて申し訳ないっす。

アルミ板に描画して、そのまま印刷。

これくらいキッパリと印刷できれば、他の工程は必要無い気もするよなあ。

リトのポイントは、必要数を一度に刷ってしまうこと。

このペンでの描画は、アルコールでしか溶解しないので、通常の印刷の後、インクを灯油などで取り去っても、描画部分はそのまま残る。

ここがポイントである。

すなわち、それは、リトグラフの工程で描画部分を洗い流し、エゲンラッカーを塗っているしているのと全く同じということなのだ。

まあ、クレヨンのようなタッチなどはこのペンでは出せないけどねえ。

でも、短い時間で、こんなに細い線までシッカリでるのであれば、このペンを併用することにより、より独自の版が作成できるということなのである。

カレンダー用の下絵。

モデルはマルセラ。

一版だと、版が単調なので、コントラストに気を配る。

後ろのソファをバティック模様かなんかにしても、絵が豪華になるよな。

一応、インテリアなので、あまりロコツなヌードでない図案を選ぶ。

ウチに来ている人は、ヌードの絵にも大分慣れているので、きにすることもないのかもしれないけど。たはは。

まだ時間があることもあり、カレンダーの図案を考えることは、思いのほか絵の力がつくので、この他、花か天使の版を作る予定。