◆◆◆ リトグラフにチャレンジ ◆◆◆

002 ● 必要な道具

100年前のリトグラフは、大理石を磨いて、そこに絵を描画していましたが、現在では、薄い、目立てをしたアルミ版を使うのが一般的です。

この他に、シナベニヤを使った、木版リトという技法もあります。木版リトにも、そのうちにチャレンジしますので、お楽しみに。

まず、アルミ版を用意します。

センセイのオススメは0.5mm程度でした。0.1mmだと、ウチの場合、版をリサイクルするので、ちと不安だと言っていました。

版画の工房では、失敗したアルミ版を使いまわしたりはしないと思いますけどね。

アタシのセンセイは、独自の技法により、失敗したアルミ版を再利用していました。

リト用のアルミ板は、目立てをして売られています。

そのままでも使えるのですが、何故目立てをするのかといえば、その方が、油面と、水面をキッパリ分けやすくなる。

という理由からです。

そうなんです。これからご紹介する全ての工程は、『水と油をキッパリ分ける』為の科学反応です。

通常は、リト用のアルミ版というのが画材店で売られています。『砂の吹きつけによる目立てをした版の方は、水と油がキッパリと分けられる』

と覚えます。

ですから、『目立てをしなおせば、版はもう一度再生できる』とセンセイは考え、自分でも目立てした版を使っていらっしゃいました。

どうやるのかといえば、サンダーで、版面を磨くのです。

400番の耐水ペーパーを電動やすりにセットして、アルミ板を磨きます。

水につけると解るのですが、アルミ全面に水がつく感じです。

水で何度も、アルミの粉を落としながら、サンダーで仕上げます。

再生するときには、前の描画部分が消えるまでかけましょう。

このコンテンツは、アタシの試行錯誤も含まれています。ヨイ子の皆さん、精密なリトグラフを作りたい芸術家の皆さんは、市販のリト用アルミ版を買いましょう。

このサンダーは、銅版を磨くために購入した品で、アタシは、既にサンダーを持っている状態でした。

新たに買うと、懐が痛いです。

リトキットを揃えるだけで5万円位かかりましたんで、プラス『サンダー30000円』って感じです。

何故アルミ版を使うのかと言えば、銅版よりも安いからです。

原理を理解すれば、銅版でも十分作れると思います。

アタシはプレス機を持っていますが、プレス機が無い場合、バレンということになります。

版がシッカリできていれば、印刷できなくは無いと思いますけど、疲れます。

プレス機の後ろにある青い包みは、リト用ローラーです。

大きい作品を作るときには必ず必要です。

このローラーだけで30000円します。(先ほどの5万円に含まれています)

リトグラフは、初期投資がお高いっすね。

オジャラは、回収できるとも思えませんが、個展用のポスターや、プレゼントのカレンダーをカンタンに作ることができると思えば、悪くない投資だったと思います。

リトグラフは、完成度が他の版画と比較して嬉しくありません。

え?見れば解ります。

では、何故作るのか?

自分の個展のポスター位、自分で作りたいからです。

SK液。

これは、アラビアゴムとエッチ液というのを混ぜた品物です。

この液があると、水の面を作りやすくなり、リトの制作が短縮化できます。

センセイのオススメで、ゲットしました。

この液は、ゼッタイに必要です。

省略できません。

このSK液は、水には溶けますが、アルコールには溶けません。

ここ、要チェックです。

チンクター(瓶小 1300円)

エゲンラッカー (1リットル 5500円)

この二つの薬品で、描画部分を『強靭な油面』に作り変えます。

それから、多少の版の保管ができるように、(印刷インクを灯油で洗い流しても、版が壊れないように)版を変化させます。

この薬品により、油面と水の面がキッパリとします。

タルク。400円程度。

これは、油性の描画部分を、粉を振り掛けることにより、更に固めて、水の部分とキッパリしやすくします。

油性のクレヨンやダーマトグラフなどで描画しただけだと、イマイチ、版を作るときに、版が潰れてしまったりするからです。

クレヨン、ダーマトグラフ、ソリッドマーカー(リト用の版を作る専用のマーカー)

などの、描画する道具。

原則的に、油性であれば、どんなものでもいいらしい。

リトに特化した墨などもある。

キッパリクッキリ水と油を分けるためには、ソリッドマーカーがオススメ。

アタシはまだ持っていないけど、次回画材店に行くときには購入予定。

001●
ゴムローラー、バケツ、ボロ布(大量)、インク用のパレット、小皿数枚、X液などがあると良いです。

とりあえず、この程度でリトグラフは作れます。

紙は、試し刷りなんで、なんでもオーケーです。

小さい版で、リトにチャレンジしてみましょう。