◆◆◆ リトグラフにチャレンジ ◆◆◆

001 ● 基本的な知識

アタシも、版画の技法に、興味を持ちながら、リトグラフだけは、本を何度読んでも、理解することができませんでした。

何故理解できなかったのかといえば、工程だけを読んでいても、全体の概要が全く書かれていない本だったからです。

そうなんです。リトグラフの全体の概要は、

『科学反応で、版を油面と水面にキッパリ分離する』

というところです。

この技法を使うと、油面にだけインクが付き、水面は白く抜ける。

それで、油性のインクで印刷が可能になるのです。

この、科学反応で版を作るというのが、長いこと理解できなかったのです。

リトグラフは、『水と油』を版上に作ります。

最初は、クレヨンやマジックなどで作り、それを薬品で、キッパリと分離し、更に安定させるのです。

それでも、科学反応を使いますので、版は長期には保存できません。木版や銅版は、何百年も保管でき、何年先でもある程度の品質で再印刷が可能ですが、リトグラフは、化学反応の版が劣化してしまうため、版の保管は3ヶ月程度と言われています。

そんなこんなで、印刷するときには、予定数を一気に印刷しなければなりません。

一気に印刷するというのは、乾燥させる場所が広くなければならないと言うのを意味します。

100枚印刷するとすれば、100枚を乾燥させなければならないからです。

リトの他に、シルクスクリーンも平版と呼ばれていますね。

こちらは、プリントゴッコのお化けと思っていただければいいです。どちらにしたって、版は平なんです。

まさか、自力でリトグラフにチャレンジしようなんていう人はいないですよね。

自力ではムリです。

最低でも、一日程度は講習を受けなければ、自力で理解するのは、難しいと思ってください。

アタシも、一度だけ、センセイに来て頂きました。

必要な材料なども、一緒に画材店まで出向き、選んでいただきました。

ひとりでは、到底理解することの出来ない域でした。

何故、この薬品が必要なのかも解らないのです。

今は、どうなんでしょうか?

ま、まだ、まともな作品が作れていないんで、やっぱ、自力ではムリっぽいという気がしていなくもありません。

でも、道具と、初回の版(一枚は失敗、一枚は、かろうじて成功)があれば、何とか試行錯誤を続けられますよね。

少なくとも、一枚(二版)は作れたという実績があるのです。

でも、習いに行ったほうが、短い時間で、目的の作品が作れるようになるので、やっぱ、ある程度理解が進むまでは、習いに行くことをオススメしますけどね。^^

アタシは貧乏なんで、自力っす。

リトグラフは、科学反応で『水と油を分離』して版を作る。

ここがポイントですね。

ここを意識すれば、リトグラフの版作りが、ぐっと理解できるようになります。

ここを理解できなければ、リトグラフの版はアナタには作れません。

でも、リトは、『描くように版が作れる』のです。

もし、描画に自信があるのでしたら、この技法は、他の版画と比較して、ずっとオススメです。

マチスやミロのリトグラフ、見たことがありますか?

なんとも美しい描画の線が、色彩の中に生き生きとしています。

そうなんです。あの美しい印刷物は、水と油をキッパリ分けたおかげなんです。

まさかいないと思いますけど、自力でリトグラフにチャレンジするから、参考にしたいという人は

次も見てみましょう。