◆◆◆ 缶のインクの正しい使い方 ◆◆◆

お教室で新しいインクを開けてみる。

『センセイっ、使い方ってあるんですか?』

などと言いながら、既に、ナイフでごっそりと取り出すアタシ。

『あ゛ーっ、そんな風にしちゃあ、ダメっすよ』とセンセイのご指導が入ります。

インクの使い方まで技があるなんてねえ。

2002.8記

このような、缶のインクは、チューブ式と比較して割り安。

文房堂のアートスクールに入っていると、画材が2割引で買えるので、ついつい、またお教室を継続してしまう。

そんでもって、一ヶ月に二回、画材を買いに行きながら、お教室で学ぶというスタイルが定着しているのである。

銅版画というのは奥深く、もう長いこと通っているような気がするのだが、全く独り立ち出来ないでいる。

そういう、技法の多様さ、技術の高さというのは他の版画には無い魅力だと思う。

そんでもって、チューブが売り切れで、仕方なく缶のインクを買うことにするアタシ。

センセイに、インクの取り出し方について伺う。

今までのアタシときたら、知識が無かったものだから、細長いペインティングナイフで、インクをすくって取り出していた。

このような使い方をすると、空気に触れた部分が全て固まってしまい、インクの劣化が物凄く早い。

そうするとどうなるのかといえば、インククズの中で、版画を刷る事になり、ものすごくイライラするという結果になる。

(先生談)

どうするのが正しいのかといえば、

平らなナイフで、平らにインクを剥がしてゆくのがいい。

表面の紙を全部取り去り、インクが空気に触れるのは、表面だけにする。

こうすると、インクが永く使えるということである。

インクは、どのように保管するのがいいかといえば、

紙は取り去り、厚手のビニールを用意する。

それは、缶より2センチ位大きくカットする。

そんでもって、缶より少し小さいサイズにダンボールをカットしたものも用意する。

インクの表面に、ビニールを置き、ダンボールをその上に乗せて、空気を完全に遮断するのである。

なるほどぉ。

このようにすると、ビニールは、紙のようにガビガビに固まって破れたりしないので、何度でも使えるのだそうだ。

考えたぜ。

大きい作品にチャレンジする方で、缶のインクをお使いになる方の参考になればと思います。