◆◆◆ CD用マジックによる習作 ◆◆◆

新しい画材は試さずにはいられない性格なの。おほほほほ。

2002.5記

パソコンコーナーに売られていた、CDの面に文字がキレイに書けるマジック。

CDに何かを書いたことがある人なら解ると思うが、

フツーの油性マジックでは、思うように書けないのでアタマにくる。

CDにちゃんと書けるのなら、銅版にも描ける。

ちゃんと腐食したあと、線が残るはずなのである。

そんなもんで、早速ゲット。作ってみましたとも。

以前、油性マジックの作品というのは数点作ったことがあったのだが、線が太すぎて、また、腐食されたラインが、意図したのと遠く離れていたため、そのあと作っていなかった。

今回は、習作なので、このマジックの線が、ちゃんと腐食できるのか。

また、このマジックを利用してどんな可能性があるのかをご紹介します。

この白い部分は、マジックで描いて、直接ディープエッジした部分です。

曇りがありましたので、バニッシャーで少し磨いています。(メゾチント技法)

習作ですから、当然に、マジックで、銅版に直接描画します。

マジックで書いた部分は、腐食されませんので、白く浮き上がり、それ以外の部分は、腐食されてゆくということです。

この技法ではグランドの代わりがマジックになりますので、エッチングとは、逆のコントラストになります。(エッチングでは、描いた部分が黒くなる)

マジックで描いた線は腐食されませんので、白く抜き残るということです。ハンコでいうと、白文っすね。

こういう作品の場合には、絵の白黒の配置に気を配ります。

最初に、女の子と花の絵をマジックで銅版に描いてゆきます。

そのあと、一時間程、直接腐食液に入れて腐食。

一旦取り出して水洗いします。

この時に、マジックで描画した線を水で洗い流し過ぎないようにしましょう。

私は、この作品の顔や体の部分は白く、髪の毛と、背景を黒くしたいと考えました。

白くしたいところをニスとマジックで留めて、黒くしたいところにアクアチント。さらに、一時間程腐食を進めます。

完成図はこんな感じです。(途中)

女の子の髪の毛と、背景の境目が同じ色で、見にくいので、濃淡を入れて、メリハリを出そうと思い、今、バニッシャーでつぶしているところです。

『君と』という文字も、バニッシャーで潰して作りました。

マジックで書いて抜いた方が、全体的に同じ太さでクッキリと抜き出すことができたんじゃないかとも思います。(忘)

文字入れておかないと、サインするときに、めんどうなんで。

小さくサインも版上に入れてますけど、ちょっと写真では見えない感じでした。お顔や体で白くしたいところは、もう少しバニッシャーでつぶして、磨いてみます。

習作なんで、こんな感じです。

次回は、もう少し濃淡に気を配りながら作ろうと思います。

描画している感じは、左の写真のような仕上がりです。

このまま、腐食液につけてしまうので、学校の図工の授業なんかに取り入れてもいいと思います。