◆◆◆ 管理表の記入例 ◆◆◆一応、こんな風に使うということっす。
使い方は自由です。アタシの場合、版の腐食の状態とか、コンディション、
技法なんかも、エディションの管理と一緒にしたいと考えて、一枚の管理表に、
情報を凝縮しています。
2002.5記
版画の管理表は、オジャラが独自に作ったオリジナルの品です。
あくまでも、版画作りのお役に立てればと考えて、無料配布するものです。 経験から来ることですが、版画の版数が20枚を越えると、管理はだんだん大変になってきます。 はじめのうちから、キッチリと記録をつけてゆく作業は、将来、版画を販売しようと考えるときに、とても重要になってきます。 画廊も収集家も、『この版画がこの世に何枚存在するのか』というところに価値を感じているからです。 こちらの管理表を利用したい方は、どなた様もご自由に使って頂いて結構ですし、ご自分の作品に合わせて、ご自分で作られると、もっと楽しいと思います。 |
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●準備するもの
- B5のバインダー(26穴) 2-3冊 - B5のバインダー(26穴)用の無地用紙 50枚 - B5のバインダー(26穴)用のビニールポケット ●下準備その2 - B5のバインダー(26穴)用の無地用紙 50枚をプリンタにセットし、版画の管理表を直接印字します。 配布しているPDFデータは、A4で作っていますので、 『ファイル』→『印刷』の『ページ処理』で、『ページの拡大/縮小』の▼印を押して、『用紙に合わせる』を選択して印刷すると失敗しません。 『穴は左側』にくるように用紙をセットして印刷しましょう。 ここで、50枚、まとめて印刷してしまうというのがポイントです。 (B5のコピー用紙にコピーするだけでも構わないです。その場合、ビニールポケットに一緒に収納します。この方法は、サインを入れるときに、紙を取り出したり、サンプルが隠れてしまって見えないなどの問題があり、とても管理しずらいというのは、最初に言っておきます。) ●下準備その3 - 管理表・ビニールポケット - 管理表・ビニールポケット - 管理表・ビニールポケット - 管理表・ビニールポケット という風に、最初にバインダーにセットしてしまいます。 大体、1冊10-20セット位がいいと思います。版や刷り見本を数枚入れると、結構厚くなります。 |
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●使い方。
まず、版を時系列に並べ、古い順番で、思い出せる限りのデータを、管理表に書き込んでゆきます。 それから、ゴチャッとなっている、刷り見本の中から、版と同じ刷りだけ取り出し、ポケットにいれてゆきます。 版は、新聞などに包み、刷り見本と同じポケットに入れます。 これを繰り返します。 ●通常、新しい版を作ったときには、2-3枚は試し刷りをしておくといいと思います。 そんなもんで、刷りのサンプルには、サインをいれずに、そのままビニールポケットに入れておきます。 そんでもって、誰か欲しいという人が出てきて版画を手放す時、もしくは、販売するためにビニールなどに梱包して、ファイルと別な場所に置くときに、印刷数を決めたり、エディションを記録したりしています。 ●この版画の管理の作業で一番大切なのは、 *** 刷り増した作品の、エディションを間違えない *** 版と、印刷サンプル、管理表をセットにして収納する場所を先に作っておく ということです。 アタシの場合、既に130枚以上の版があり、ゴチャッと缶に入れておいたのですけど、刷り増したい作品があっても、版を探し出すことが出来ないのです。 版と、印刷サンプル、管理表は、セットで収納されているべきです。 そうして、現在は、このように管理しており、版画を作る方にも感激されました。 版画を多数作っていらっしゃる方、これからも作る予定の方のご参考になるといいなと思います。 |
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記入の方法 | |
●タイトル
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版画のタイトルを入れます。
アタシの版画には、版に文字が入っていることが多くて、その場合、文字がタイトルになっていることが多いっす。 |
●ヘッダー |
アタシは、管理表一枚一枚に、自分の名前も印刷しています。
アタシのノートだというのが解るので。 |
●日付
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入れておくと、後で、版画のファイルとか、電子本とか作るときに便利っす。
何年も経つと、いつ作ったか、ホントウに忘れます。 画廊に作品売り込むときなどでも、日付は重要っす。 |
●トータル枚数 | 日付の横、右上に、この版のトータル枚数を書く欄があります。
『版画を何枚作るのかを決める』というのは、今後、版の管理をする上で、最も重要な決定事項です。 ですから、版画にエディションを入れる時には、ここに、必ず、トータル枚数を書き込みます。 版画を作っていると解るのですけど、大体30-50枚程度というのが普通みたいです。 一つの版を100枚も200枚も作っていると、版に傷がついたり、(アタシの場合腐食が深すぎて、コンディションが変化してきたり)、刷るのに飽きてきたりしてしまいます。 |
●サイズと版の厚さ
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この辺も、一度書きとめておくだけで、作品まとめるときに、効率いいので、きちんと書くようにしましょう。 |
●色
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アタシは、カラー版画を作ることが多いんで、色の項目も作っています。
この色以外の場合、横に『ピンク』などと書き入れます。 |
●エディションの欄
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1-25番づつ、4列並んでいて、一枚の管理表で100番まで管理できるようになっています。
100枚以上のエディションにするときには、管理表を二枚使います。 エディションを入れるときには、最初に、『トータルで何枚作るのか』を決定しなければなりません。 最初のエディションを入れるときに、右上のトータル枚数も書き込みましょう。 後で、何枚作る予定だったかが解らないと、エディションの信憑性が薄れてしまいます。 上の図では、緑色で、不要なエディション欄を消しています。トータル数を間違えないようにするためです。ご利用になる方は、ご自分で使いやすいように、運用してください。 |
●A.P.欄
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A.P.というのは、アーティスト・プルーフの略です。 日本語に訳すと、『作者の所蔵作品』という意味です。 版画の場合、作者の所蔵というのが、10%程度認められているらしいです。 詳細は解りませんけど、100枚であれば、10枚のAPを持てるというような感じのようです。30枚であれば、3枚ということです。 アタシは、販売準備前の作品とか、エディションを決定する前に、知人などに版画を1枚とか配布するときには、このA.P.を利用することも多いです。 販売するときなどには、必ずエディションを入れましょう。 自分の版画なんで、文句は言わせないみたいな所はありますね。 一番大事なのは、A.P.が何枚世に出たのか管理されているという事実です。 |
●版完成から、エディション記入の流れ
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ですから、流れとしては、 ●版を作り、印刷見本を3枚程度作る ●版は新聞にくるみ、バインダーに収納。 ●印刷見本は、乾燥したら、バインダーに収納 ●管理表を上に挟んで、版の作成日付・腐食時間、技法などをチェックしておく。 ●版画を最初に手放す時がきたら、『印刷総数を決定』して、『エディションを版画に入れて、』『管理表の番号に○印をつける』 1/30であれば、1番に○をつけ、お買い上げいただいた人がいた場合で、名前が解っていたら、名前も書き込んでおく。 ●売れ線の版画であれば、10枚程度、ストックを印刷しておき、エディションを入れた番号まで、○印をつけておく。この版画は完成品なので、ビニールなどに個装して別な場所に置いても構わない。 (上の図でいうと、エディションを入れた作品は7枚あり、1番と2番は、売れた人もわかっているということです。この他に、知人Oさんにお分けしたA.P.が一枚あるという記録がついています。ギャラリーなどにストックを委託する場合には、『3-7』□□ギャラリーに委託などと記録します。) という感じっす。 マジ、100版以上あるもんで、管理表、活用しています。 |
版画の管理表は、こちらから無料でダウンロードできます。 |