◆◆◆ リフトエッチングの刷り ◆◆◆前回からの続きです。
刷り上ると、こんな感じっす。 |
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アクアチントしないで、直接腐食したところは、グランドを塗られていない部分の、真ん中がより深く腐食されてしまいます。
刷るときに、何が起こるのかというと、広く腐食された面のインクは、ふき取るときに、真ん中の部分ほど、拭き取られてしまうということが起こります。 それなんで、エッジの部分にインクが残り、チューリップの花の感じを柔らかくしているのです。 葉の部分の、アクアチントした部分は、筆の線などが、シッカリと黒く残っています。 粉を振り掛けることで、広く深く腐食されるのを防いで、黒い面に刷りあげることができるのです。 |
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この、溝の中に、インクが詰まっているということです。 |
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サラダオイルを下に塗って、ポスカラを塗った面はこんな感じです。
サラダオイルの量をもう少し増やすと、ポスカラも、もっと、丸まります。 小さい丸と、大きな丸を試したかったので、こんな風になりましたが、自分で、シュガーチント液を作ると、もっと丸い描画も可能です。 オジャラは、シュガーチント液は、自分で作っています。 どうやって作るのかをお教えしましょう。 |
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準備するものは、
●小さい鍋(直火にかけられる品) ●砂糖大さじ4杯 ●アラビアゴムの粉末 大さじ2杯 ●水50CC ●スプーンのような、液を混ぜ合わせるもの ●墨汁 少々 ●カセットコンロとか、ガスとか、加熱できる装置 なんか、お料理の時間みたいっす。 |
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全部を鍋に入れ、よくかきまぜます。
最初、砂糖を完全に溶かし、少し、トロっとするくらいまで煮詰めるほうがいいと思います。 ゴムを入れて煮詰めると、少し臭いからっす。 その後、アラビアゴムを投入します。 アラビアゴムが完全に溶けたら、グツグツと煮込みます。 アラビアゴムは、溶かすのは結構時間かかりました。 砂糖だけでも作れるみたいですけど、オジャラは、砂糖を煮込みすぎて、水あめになってしまったことが一度あり、それ以来、アラビアゴムも入れています。 粉末のアラビアゴムは、結構使える量が入って300円程度と安かったです。 墨汁を入れるのは、液を黒くする為です。 カラーインクとかでも、キレイかもしれないっすね。(注:どうせ、銅版からはがしてしまいますので、色がキレイな必要はありません。あくまでも、銅版に塗ったときに、透明だと、塗った部分がわかり難いので、液に色をつけると覚えましょう。) |
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最初、ゴムだけで、固まってしまいますので、それを、根気よく溶かしてゆきます。
自分で作るシュガーチント液は、自分が、どの程度の粘度の液で作品を作るのかという部分と関わってきて、どれが正しいとかいうのがありません。 肉じゃがが、それぞれの家で、味付けが違うのと同じです。 そんなもんで、とりあえず、基本的な作り方をマスターして、あとは、もっと、粘度が高い方がいいのか、それとも、もっとゆるゆるを使うのかとか、 そういうのを、自分で調整して、自分のレシピを作ってみてください。 |
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結構、グツグツと沸騰させて、水分を飛ばします。 カラメルを作る要領です。 墨汁を加えるのは、銅版に描画したときに、液がクッキリと見えるようにするためです。 魔女になった気分で、チャレンジしましょう。 |
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オジャラは、小さいコーヒーの瓶に、この液を入れて、密閉しています。 これを筆に取って、銅版に直接描画しています。 液の温度が下がると、少し粘度が増すみたいです。 水は、入れすぎに注意しましょう。 これで、リフトエッチングを繰り返して作った作品がこちらです。 4回位、リフトエッチングを繰り返して、各30分位腐食しています。 |
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6回位、リフトエッチングを繰り返しています。
黒くしたい部分は、アクアチントをしてもいいですね。 このシュガー液で、一番重要なのは、粘度です。 水分を蒸発させると、粘度が増してきます。 あまりネバネバしてしまうと、今度は、筆で書くのが難しくなります。 オジャラは、一度、砂糖だけで作ろうとして、水あめになってしまったことがありました。 アラビアゴムの粉末は、80gで330円と結構安いし、砂糖も腐らないような気がしますんで、一度買って試してみてください。 そんなもんで、ここまでやるという方は、ご自分で、砂糖やアラビアゴムの量を変えて、液を作ってはテストを繰り返すというのをオススメします。 ポスカラは、手軽ですけど、少し固いので、このように、やわらかいラインは作るのが難しいです。 かといって、水で溶けばいいのかというと、今度は、薄くなりすぎて、お湯をかけても、銅版から離れないとか、描画が思うように行かないということにもなります。 イロイロ試すしかないっす。たはははは。 ちなみに、この作品、刷る時には、インク、少し残し目で、お顔の部分だけ、白く拭きあげています。 なんか、アタシの絵手紙の絵みたいで、和みます。 |
続けて、「銅板の傷を消そう」です。一旦できてしまった傷も、頑張れば取ることが可能です。でも、つけないのが一番です。 | |