◆◆◆ リフトエッチングの紹介 ◆◆◆

リフトエッチングというのは、剥がした所を腐食するという方法です。

なんじゃそりゃ。

基本的な知識をここで習得して、どうやって面や線を作るのかを理解してみましょう。

準備するもの。

とりあえず、

●ポスターカラー白。

●筆

●液体グランド

●サラダオイル(機械オイルでもいい)

●湯沸しポット

●お湯を入れるプラスチックのトレイ

●裏にマスキングテープを貼った銅板

リフトエッチングの習作は、こんな感じです。

上が、銅板にサラダオイルを塗って、ポスターカラーを筆で描画した作品。

下は、銅板に直接筆で、ポスターカラーで描画した作品。

上の作品は、○が、カワイク表現されています。

下のは、逆に、筆で描いたような線が出ています。

サラダオイルを塗ることで、ポスターカラーが、丸くなりやすくなっているのです。

今回は、サラダオイルを塗って、丸い面を作ってみることにします。

今回は、自力でリフトグランドエッチングをやってみようという方の為に、1つの版で、四つの表情を試してみます。

銅板の左側半分に、薄くオイルを塗ります。

これは、ポスターカラーで○を表現しやすくするために塗るのです。

その後、ポスターカラーをパレットなどに取り、

筆に乗せて、銅板に、点を置いてゆきます。

線や何かを描いても構わないです。

下絵は、こんな感じです。

左側は、オイルを塗ったので、ポスターカラーを乗せると、自然に丸く形が変形してゆきます。

右は、筆で、直接描画した感じに仕上がりました。リフトグランドエッチングは、描いた部分を腐食します。

ポスターカラーが、ある程度乾いたら、今度は、液体グランドを乗せます。

ポスターカラーが乾いていないとグランドに溶け出してしまいますが、ポスターカラーが完全に乾いてしまうと、今度は、銅板から剥がれにくくなってしまいます。

半分位乾いた所で、グランドを塗るのがコツです。

グランドを塗るとこんな感じです。

グランドも、完全に乾かしてはいけません。

お湯にぶち込んで、流れない位の所まで乾燥させます。

もう、これは、沢山作って、自分でテストを重ねるしかありません。

ここで、トレイにお湯(42度前後、手を入れて、熱いとちょっと思う程度)を入れておき、その中に、ドボンとつけます。

こんな感じです。

そうすると、先ほど塗ったポスターカラーが、お湯に溶けて、銅板からはがれてゆきます。

ホントっす。

グランドがポスカラの上に厚く塗られてしまった場合、はがれにくいので、銅板を少し、揺らしてみます。

こんな感じです。

白い部分は、お湯で、溶け出したポスカラです。

それでもポスカラがはがれない場合には、

筆などで、その上を押して、ポスカラの部分を剥がします。

繊細な作品には向いてません。

この白い色が、全部はがれて、銅板が見えるくらいまで、お湯の中で揺すって、溶かし出します。

ここの所は重要です。

お湯から引き上げると、こんな感じです。

先ほどポスカラで塗った部分が、抜けています。

銅板からはがした部分を腐食する。

だから、リフトエッチングと呼ばれているのです。

このまま腐食すると、黒くなりません。

黒くしたい部分を、アクアチントします。

オジャラは、葉っぱの部分だけ黒くしたいと思います。

そんなもんで、まず、ドライヤーの冷風で、水分を全部乾燥させます。

上の部分だけ、紙で覆い、下の部分にマツヤニを振り掛けます。

かなり白くなるまで振り掛けましょう。

真っ黒くしたいときには、粉は、細かく粉状にするのがコツです。

そのあと、銅板を下から熱して、マツヤニを銅板に定着させます。

このときに、上の部分のグランドも少しとけてしまい、筆のタッチなどが、崩れてしまうかもしれませんが、仕方がありません。

黒くしたい場合には、アクアチントです。

上の部分は、どうなるんでしょうね。

楽しみです。

当然、抜けている所が、そのまま凹に腐食されるので、外側よりも、真ん中が深く腐食されるという感じになります。

続けて、ポスターカラーを使った、リフトエッジングを刷ってみます。楽しみです。