◆◆◆ 基本的なこと ◆◆◆
銅版画というのは、銅板を使って作ります。

銅版画は、基本的に、凹版と呼ばれ、

凹の部分の、ミゾに、インクを詰めて、それを紙に印刷する技法です。

この凹の部分は、基本的には、点、線、面のどれかです。

ですから、銅版画の技法というのは、この、凹の部分の、『点や線や面』を、どうやって作るのかという道具や方法ということになります。

オジャラは、木版画も、リトグラフも、プリントゴッコもやりますけど、やっぱり、銅版画が一番楽しいです。

何が楽しいのかといえば、『凹』を作る技法のバリエーションが多く、また、新しい方法を自分で発見したり、テストを繰り返して、独自の世界を作り上げたりすることもできるからです。

銅版画の技法の、基本的な事を理解できると、版画を見るのもぐっと楽しくなります。

銅版画を作られている方なら、ギャラリーの展示を見るだけで、オジャラは最近、新しい技法にチャレンジしているというのも、解っていただけると思います。

●基本的な技法の名前 ◆ドライポイント

◆エッチング

◆アクアチント

◆シュガーポイント

◆エングレービング

◆メゾチント

◆ドライポイント

ドライポイントというのは、銅板に、鋭利な刃物で、直接傷をつけて、溝を作る技法です。

左の作品は、電動ドリルを使って、直接銅板に描画して、印刷しました。

力を入れれば、強い線に、少しずつ削れば柔らかい線が作れます。

(アタシの作品は、激しくて、あまり柔らかい線の参考にならないと思います。ここまで太い線を作るには、電気に頼るもしくは、相当力が要ります。)

◆エッチング

エッチングというのは、化学反応を使って、凹の部分の『溝』を作る方法です。

この方法は、銅版画の基本的な技法です。

銅版画=エッチングと呼ばれるのは、多くの作家さんが、この技法を中心に、銅版画を作っているからです。

ですから、今回、この『銅版画にチャレンジ』というコンテンツでは、エッチングをマスターするということになります。

別ページで、順番にお教えしたいと思います。

概要としては、

●まず、銅板の上に、防食材(グランド)を塗る

●グランドの上から、ニードルで描画し、線をつける

●腐食液につけて、腐食する

●グランドを取り去ると溝ができている

●腐食された部分にインクを詰めて印刷する

というのが基本的な流れになります。

ですから、銅版画を習うというのは、エッチングを習うというのが最初の工程です。

◆アクアチント

アクアチントというのは、『マツヤニ』と化学反応を使って、面を作る技法です。

左の作品の、背景の黒い部分が、アクアチントして、黒く腐食した『面』なのです。

真っ黒い面も、グレーの面も作れます。

他の部分の細かい線は、エッチングで作っています。

版画は、点、線、面で、銅板の上に作る芸術です。ですから、面を作れるようになると、作品にぐっと、広がりが出るのです。

◆シュガーポイント

シュガーポイントというのは、『リフト技法』の一部です。リフトという名前は、英語で、『はがす』という意味です。

はがす=はがれた部分が黒く出る

そう考えてください。

はがれた部分は、面であったり、点であったり、線であったりします。

左の作品は、シュガーポイントで描画し、エッチングを繰り返した作品です。

柔らかいタッチが、ぼんやりとしてキレイな作品に仕上がりました。

アクアチントとの違いは、後でもう少し詳しくご説明しようと思います。

マスターするのは、最初にエッチング、次にアクアチント、次にシュガーチントという順番が、わかりやすいと思います。

◆エングレービング

ビュランという専門の彫刻刀で、銅板を削ってゆきます。

ドライポイントは、銅板を傷つけたときに不規則なめくれができて、印刷した感じがギザギザになるのですが、エングレービングは、このギザギザを完全に取り去って、美しい線を作るという、高い技術で作られた版画です。

作るのは難しいですし、時間がかかります。

アタシは、道具すら持っていませんので、細かい説明は省略します。

◆メゾチント

うーむ。メゾチントもやったことないんだよなあ。

銅版画は、面と線と点で構成されている。

メゾチントというのは、面を先に作ります。

銅板全体を『ロッカー』なる道具で、マックロにして、今度は、一度黒くした銅板を、『バニッシャー』と呼ばれる、スプーンのような道具で潰して、白い面を作るのです。

やったことないからなあ。・・・・・。

とりあえず、今思いつくのは、こんな感じです。後から読み直したり、質問いただいたりしたら、充実させてゆきたいです。
次は、銅版画の下準備です。