*-*-* アートの保管ってどーすればいいの? *-*-* 

ネットで、中性紙を製造している、とあるメーカーさんに問い合わせましたところ、

都内の販売店さんをご紹介頂きました。

何でも、文書や版画などの保存専門の箱などを作っている会社があり、ショールームも都内にあるというのです。

そんでもって、炎天、行って参りましたので、そのレポートです。

2005.8.16記

収集家のお友達と、版画の保管というのは、どうするのが正しいのかという話をする。

アタシの場合、楽しみの為に集めているので、もう、額に入れて飾る。

これが正しい楽しみ方つすけどね。

収集活動には、所有する楽しみっていうのもありますからね。

アタシは、その事を否定したりはしないです。

飾りもしないのに、沢山買ってくださる方が存在する。

そういう収集家の方だけが、アートの世界を支えているということを知っているからです。

ネットで、イロイロと調べていると、紙製品の長期保管に特化した紙を作っている会社があるということが解ってきます。

まあ、製紙会社ってところですね。

そんなもんで、完全なる中性紙のことを詳しく知りたいのだがというメールを送ってみます。

一社目は、返事来ませんでした。

会社がデカイ所だったからなあ。

もう少し中規模系を狙ってみるか。

ということで、リベンジ。

メールでのお返事と、後日郵送で、商品のパンフレットなどが送られてきました。

「神田 もんじょ箱」という、資料保存情報室なる、ショールームがあると、そのパンフには書いてありました。

なるほどねえ。

そんでもって、収集家のお友達と、そのパンフを眺めてみます。

どうにも、多種類・多価格帯があり、折りたたみ型、箱になっているタイプなど、判断に迷います。

どんな形で版画作品を保存するのが、好ましいのか。

収集家の方というのは、将来何百年に渡り、自分の集めた作品を、良い状態で残してあげたいという気持ちがあるのです。

なるほどねえ。

いくつかの疑問の解決と、サンプルを入手するため、「神田 もんじょ箱」さんを訪ねてみました。

立派なショールームで、なんか、とても偉い役職の方とお見受けできる方が、直々にご説明下さって、作品保管に対する情熱を感じることができました。

パンフレットの方は、一応、PDFでダウンロードできるように、一部を公開することにします。値段は削除しました。将来変動があるかもしれませんし、そういったときに、こちらでも更新の対応できないからです。

もんじょ箱のパンフ-1(アーカイルバルボードについて)

もんじょ箱のパンフ-2(箱の種類などの説明)

まず、ご説明いただいたのは、「アーカイルバルボード」と呼ばれる、中性紙で作られたダンボールの話でした。

もんじょ箱は、この、特殊な製法の紙で作られたダンボールのことなのです。

作品保存に特化した、ニッチ(隙間)商品が存在するということです。

(全く知りませんでした。ニーズがあるのに、知りたい方にたどり着けていないという感じっすね。)

次にご説明頂いたのは、作品がどのように劣化してゆくのかという話です。

作品が劣化する第一の要因は、光なのだそうです。

ダンボールに入れて、光を遮断するだけで、作品は長期的に保管が可能だと教えていただきました。

その他の大敵は、●高温多湿な環境に直接さらされること、●虫などに食べられてしまう●チリ・ホコリ・カビによる劣化●酸化

などの、総合的要因が考えられると教えてくださいました。

解決方法としては、「保存用のダンボールに入れておく」というだけで、ほんどの劣化に対応できるというご説明でした。

今までは、普通のダンボールなどにゴチャっと入れていたみたいですけど、普通のダンボールは酸性紙を使っているので、入れておくだけで、作品が中性紙に刷られていても、劣化してしまうということです。

うっひょーっ。

でありますから、まず、この外側だけ、保存用の箱に変えてみてください。

何十年かは持ちます。キッパリ。

と、断言されていました。

商品力に自信があるのだと思います。

私の方で気になった商品を2点ピックアップしたいと思います。

一つは、「ストレージボックス」

こちらは、アーカイバルボードpH8.5で作られた、折りたたみ式の保存箱です。

イロイロなサイズに対応しており、ご自分の収集サイズに合わせて購入することが可能です。

ちとお高いですが、「アートが長期に保管できることを考えれば、高くない」と、ご担当の方は話されておりました。

まあ、アート本体の値段のほうが高いですし、シミなどをつけてしまうより、よっぽどイイということです。

一つの箱は高さが5センチ程ありますので、薄葉紙に包んだとしても、20枚程度は収納できますからね。

「もんじょ箱」さんでは10個単位でしか販売されないというのがネックですが、バラ売りしてくれるところもあるみたいなんで、そちらも、あとでご紹介します。

●もう一つの商品の紹介

「キット ボックス」

こちらと、上の商品の違いは、「ダンボールなのか厚紙なのか」という違いです。

主な違いは、強度なのだそうです。

どちらも中性ということですから、ご予算に合わせてお求めになるというのでいいと思います。

こちらは、あまりサイズありません。大きい版画だとムリっぽいっすよね。

でもまあ、大きい版画を買わないことにすれば、A3一個あると、全部を安全に収納できるってことで、悪くないと思います。

600枚も持っている人はどーっすかね?

どーやって保管すればいいのか、全く検討がつきませんけど。汗。

このお話は次回に続きます。