額縁の話

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額が2万円と言われました

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ま、それくらい取る所がフツーっすよね。

オジャラは、職業柄、大量の額縁を見ていますけど、

やっぱ、額縁の値段による品質の差というのは、歴然ですね。

それは、1000円のバッグと、10000円のバッグと、50000円のバッグとの差ということです。

10000円と50000円にはあまり差を感じないけど、1000円と10000円には大きな差がありますよね。

そーいうことです。

昔、夫婦で稼いでいたときには、お金がありましたので、額縁は、老舗に頼んでいました。

F4程度の特注品の額で、1個作るのに、25000円前後は払っていたと思います。

当時は、この価格がフツーでした。

最近、絵を売るようになって、激安額縁というのを買っています。

絵を売るというのはとても大変なことなので、額縁代にまであまりお金が回らないのです。

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お客様にも事情がある

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お客様の方でも、絵は今買って『額は今度のボーナスが出てから買う』

などという場合もあります。

そんなこんなで、双方の事情により、完全に乾燥した油絵は、

ビニールに包んだまま、お客様に渡され、お客様もその状態で何ヶ月も持っている場合もあります。

そんで、いざ、ボーナスが出て、『額を買いに行ったら、絵よりも高くて、買えなかった』

という話を聞きますね。

額って、ホントにそんなに高いのか?

ってことっすよね。

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額縁の知識

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世の中に、どんな額縁が存在しているのかをまず考えます。

●市販の額縁

●絵のサイズなどに合わせた特注の額縁

どう違うのかというのは、作る時期が違うのです。

市販の額縁は、大量生産されて、全国のデパートとか、額縁ショップとか、

雑貨店などが仕入れます。

要するに、在庫になるわけです。

世の中に生まれてしまった商品は、いち早くお客様に販売されなければなりません。

しかしながら、全ての商品が売れるというともありません。

そうするとどうなるのかといえば、

『売れない商品は、値段を下げて売りたい』

ということも起きるということです。

そうすると、『市販の額縁』は、年末とか、年度末、ボーナス時期などに、

在庫処分3割引とか、キズモノ半額などという方法で

値引きされて売られることもあるということです。

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特注額の話

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特注額というのは、作品に併せて誂えてもらう額縁です。

何故誂えなければならないのかといえば、サイズが特殊だからです。

何故サイズが特殊なのか?

それは、バリ島で買ったカンバスだからです。

ウチは、バリ島で、額無しで、いくつも絵を買って、軽く持ち帰り、日本でお高い額に入れています。

理由は、当時は金があったからです。

何故バリ島のカンバスが特注額になるのとかといえば、

『その辺にある木で枠を作り、自分でカンバスを張っている』からということになります。

ほんのり台形だったりもします。

それが、いいとか悪いとかいう話とは違います。

(バリ島のカンバス布は粗悪です。キッパリ)

安く買った絵も、日本で額縁を頼むと、絵より高いということもあるということです。

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量産されている額の特徴

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日本のアート市場というのは、効率よく、ムダが出ないように、かつ、商品を安く作れるように

一生懸命考えた結果、

『規定のサイズ』という、共通のルールを作り上げました。

これは、日本独特のルールで、世界共通ではありません。

ですから、外国で安く買ってきたアートを日本で額装すると高くつくというのは、

このことなのです。

『規定サイズ』以外は特注品となり『高い』

というのがその理由です。

逆に、『規定のサイズ』であれば、『作りすぎて、安く売られているモノも、はじめから安い品物もある』

ということになります。

日本ですから、大量生産は得意なんです。

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規定のサイズって何よ?

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そんなもんで、日本には、額縁屋さんと画材メーカーが結託して作り上げた、

規定サイズのアートというのが存在しているのです。

例えば、油絵だと、

サイズ カンバスの大きさ(mm)
F0 (180x140)
SM (227x158)
F3 (273x220)
F4 (333x242)
F6 (410x318)
F8 (455x380)
F10 (530x455)
F12 (606x500)
F20 (727x606)
F30 (910x727)
F50 (1167x910)

という風に、カンバスに、規定の枠の大きさというのがあるのです。

そんでもって、『F4カンバスに描かれた油絵』を、

そのまま額縁屋さんに持ってゆくと、そのカンバスをポコっと、入れられる、

規制の額があるということです。

お値段ですか?

そーいうのは、お店それぞれなんで、お安いところとか、送料を計算して、

バーゲン時期などに、

自力で行ったほうが安ければ、自分で行って買うのが一番だと思います。

ちょっとネットで調べれば解りますけど、激安ネット販売というのもないわけではありません。

油絵で、日本の規定サイズのカンバスに描かれた作品は、

必ず『F6号』とか、『F10号』などと、サイズが書かれています。

アタシの場合は、バリ島から持ち帰った特注サイズというのがあり、額も特注になってしまうことがありますけど、

そういう特別な大きさの場合でも、必ず、サイズは書いてあると思います。

それは、販売する人は、必ず書くと思います。

でもまあ、海外のカンバスは、四角くない場合もあるんで、初心者のアナタは、

必ず、現品を持参して、どうするのか額縁屋さんに相談するのが一番です。

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油絵以外の額はどうなのか

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よほどのこだわりがない限り、額は、市販品を買いましょう。

絵を持っていくと、絵より、二周りくらい大きいサイズを、お店の人は薦めてくれることでしょう。

そんでもって、マットというのを切ってくれます。

マットというのは、絵と額縁の間に挟みます。

直接絵にガラス面が触れないので、絵の劣化が防げます。

よく解らない?

そういう人は、ちょっと視点がズレてますけど、ここも読んでください

大体のことがわかると思います。

(アタシが作っているんで、ま、リンク張ってもかまわないだろう。うん。)

マットのこととか、額縁のこととか、少しわかると思います。

自分でも調べてみたり、行ってみるのが一番ですよね。

アタシ的には、額縁を先に買うというのだけは辞めたほうがいいと思いますけどね。

額に併せて絵を買うというのは、やっぱ、間違ってます。

絵を一番素晴らしく見える額縁を買うというのが、正しいっすね。

とはいいながら、安売りの額も買い置きしてますけどね。うふふ。

そんじゃ、良いアートと出会えると良いっすね。

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激安額縁について

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アタシの感覚だと、安価な額縁って、軽くていいんですけどね。

見栄えもそこそこでね。

たぶん、木っ端の木切れなんかを粉にして、

接着剤で固めた品に、ゴールド塗ったりしているだけみたいですね。

アタシが使っている額縁は、物凄く壊れやすいのです。

仕方ありません。安いんですから。

絵を保護するために額をつけていると考えてください。

アタシは、これで十分だと思いますけどね、

センセイの作品なんかは、もっと高い額に入れてます。

理由は、絵には格というのがあって、その絵にふさわしい額に入れないと、

絵も額も死んでしまうのです。

逆に、ちょっとイイ額に入れると、絵は、物凄く高そうに見えて、自慢できます。

そんな感じでね、安い額は、それなりだということを割り切ってご利用になるといいと思います。

市販品も同等と考えるべきだということです。

ネットで見ていると、額って、どれもよさげに見えますけど、

物凄く粗悪ってこともあるかもしれません。

絵を持参して、額縁屋さんと相談して決めるというのがいいと思いますね。

ちゃんとした絵画作品なのに、あんまり安い額に入れようとすると、

『この作品は、これくらいの額に入れたほうがいい』などと言われるかもしれません。

ま、額縁屋さんも、お客さん少ないんで必死ですからね。

だとしても、本体の10倍も払うべきではありません。

1万円位の絵なら、上限2万円くらいの額までという感じかなあ。

それでも、100万円の絵だから、200万円の額に入れろと言っているのではありません。

サイズにもよりますけどね、100万円の絵の場合だって、2-10万円程度の額で十分だと思います。

ま、アタシが払うんじゃありませんからね、いくらでも構わないんですけどね。

ネットで安売りしているからといって、飛びつくと失敗の可能性は否定しないです。

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絵に合うかどうかも、何ともいえませんよね。お部屋に合うのかとか。

安売りされていた額は、絵に合わなくて、使えないということも無いこともありません。

よーく考えて、実物のアートを入れてみて、買うかどうか決めましょうというお話でした。

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