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003●ところで、絵の具の違いって何よ?

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前号では、画材によって、作品の耐久性が変わってくる。

耐久性は、値段に連動しているという話をさせていただきました。

今回は、『絵の具』が、どう違うので、耐久性が違うのかということをご紹介しますね。

絵の具の話が理解できると、アートの理解が一気に深まるのです。

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絵の具の基本知識

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絵の具は、『色の元となる鉱物や、天然素材を粉状にしたモノ』と、

『それを物体に定着できるノリ状のモノ』

を混ぜて作ると覚えてください。

『色のついた粉に、ノリを混ぜる』

これが、絵の具の基本です。

何を混ぜて作っているのかにより、イロイロな種類の画材が生まれてきました。

どうやって生まれたのかというと、『面倒な手間をかけずに手軽に絵を描きたい』

『誰でもが絵を描けるような画材を売って儲けたい』

という所から来ています。

よーするに、怠惰なる人間や、儲けたい人が、よーく考えた結果、

以下のような画材が誕生し、愛されているということであります。

◆ 一点モノ作品 ◆

 

◆ 油絵 

◆ 日本画
◆ アクリル絵具 ?アクリル樹脂?

◆ クレヨン (水性・油性)

ろうそくのような素材

◆ 水彩(透明水彩・グワッシュ、ポスターカラー) 

アラビアゴム・水

◆ ペン画 

◆ テンペラ画 卵の白身
◆ フラスコ画 漆喰を塗広げ、乾かないうちに、顔料を彩色しながら作る(たぶんです。勉強不足で申し訳ない)
◆ コンテ 炭・木炭
◆ エンピツデッサン エンピツメーカーに行ってみてくれ。たぶんカーボン(墨を粉状にして何かで固める)
◆ パステル

パステルという顔料を固めて作られている

〇ソフトパステル(粉になりやすい)

〇ハードパステル(固いのでナイフで削ればシャープな線もつくれる)

〇オイルパステル(油っぽい粘りがあり塗重ねが可能)

◆ レジン 光で硬化するアクリル・プラスチック樹脂
◆ ペンキ /アクリル塗料

アクリル樹脂・ラッカーなどと顔料を混ぜた品。

乾くと強力な被膜を持ち、外装などの塗料にも利用される。風呂屋の富士山絵画などにも。

安価なので、大量の面を塗るのにも便利。

◆ 漆

漆の木から採取する樹脂。

採取のときには、黄土色だが、乾燥すると黒く変化する。

色漆は、漆の透明部分だけを取り出し、顔料を混ぜて作る。

水に強く兜や建材・食器などの防水加工としても昔から利用されてきた。

金箔・金粉の定着剤にも

◆ 染料(布用/毛糸用)

植物や鉱物などから抽出した色を、布や毛糸に染み込ませて色を作る。

最後に定着剤と加熱で、布に色を定着させる。

◆ 押し花/石絵/蝶の羽の絵など

母体に、押し花や、蝶の羽などを利用して、絵を描く技法。

虫喰いに注意。

◆ 切り絵 紙に、色紙などをカットして作品を作る。
◆ その他、色がつけば何でも

 

創作には決まりが無いので、身近な品物で母体に何かを描いたり貼り付けたりして、それが定着すれば、作品となる。

 

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◆ 版画作品 ◆

どんなモノを混ぜて作っているのか

◆ 銅版画

基本的には油絵と同じです。

溝にインクを詰めるので、粘度なんかを、銅版画用に特化して調合しています。

◆ シルクスクリーン版画 

よく解らないです。

乾くのは、銅版画なんかよりも早いみたいですけどね。

プリントゴッコを考えて頂ければいいかなと。

2時間位で乾いて、すぐに上から色を重ねられますよね。早く乾燥する薬品とか、油とかイロイロ混じっているってことで。

◆ 木版画 

墨っすね。油性のインク(銅版画と同じ)を使う場合もあります。
◆ 小口木版画 同上

◆ リノニウム 

凸盤専用のインクというのがります。

リトグラフと同じでも構わないです。

ノリを混ぜて、粘度を高くすれば、水彩絵の具でも印刷できます。

◆ リトグラフ(石版画) 

平版専用のインクというのがあります。

どーかなぁ、やっぱ、油系って気がしますね。少し早く乾燥するような薬品も入っているって感じっす。

 

◆印刷物◆
◆オフセット印刷 顔料に、イロイロ混ぜて、短時間で発色よろしく、乾燥も速い絵の具に調合されているらしいです。

耐水性はあるようなので、油性系っすね。きっと。

退色はしづらいですけど、やっぱ、紙の劣化が先にきます。紙が酸化して、色も退色するってことで覚えてください。

◆ダイヤモンドスクリーニング 同上。
◆インクジェットプリンタ利用 最近、大分耐久性上がってきましたけどね。

実のところ解らないですよね。

インクジェットプリンタ用インクと書いておきます。たはは。どうしてももっと知りたい方は、直接インクメーカーに聞いてみてください。

最近は、アルシュのような、中性紙を作る大手メーカーや、和紙の生産者が、インクジェット用の紙を作っていますので、それにプリントする場合もあるようです。

アートを描くという人の全てが、何百年も残るような、

耐久力の高いアートを作りたいと考えているわけではありません。

それぞれの画材には、特徴のある画肌(マチエール)があり、

例えば、短時間で完成できるとか、他の作品とは明らかに差をつけられる何かがあるのです。

アーティストごとに、得意な画材というのもあります。

普通、自分が一番優れた作品を作れる画材に流れてゆきます。

絵画の値段は、耐久性や、一点ものかどうかということでも、大きく相場価格が

違うという現実があるにはあります。

でもね、アナタがアートを選ぶときに、画材や耐久性にこだわりすぎるべきではないと、アタシは考えています。

『アートの雑学』はね、アートの基本的な知識です。

アナタが作品を選ぶときの参考にしていただくためのものですが、指針にすべきものではないということです。

どーせ、500年も生きられないのです。

せいぜい、2-30年飾れればいいじゃないですか。

もしくはね、コツコツお金を貯めて、5年に一枚位買おうかなとか、

毎年、3万円の予算で、一枚ずつ交換してゆくとか、

その程度の感覚の方が、楽しめるような気がしますけどね。

絵の価値、絵の価値ってね、価値が解らない人が騒ぐべきではありません。

わからない人は、『自分の飾りたい絵で、かつ、手に届く範囲のアート』を飾ればいーんです。

アタシはね、『ホントは、一枚位、アートを部屋に飾りたいんだけど、知識が無いから、買えない』

というフツーの人がね、アートをもっと身近に飾って欲しいと思っているのです。

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